数日後、アルバートはアダムズ魔石工房の自室に引っ越しを済ませた。元々は城の敷地内に騎士団の本部があり、その隣の官舎にアルバートは住んでいた。だから荷物という荷物はないし、官舎の団長室も有事に備えて最低限の荷物はそのままにしたから、引っ越しは一瞬で終わった。
引っ越しのあと、ドミニクは
「歓迎会をしなくてはいけませんね」
と言って鼻歌交じりで買い物に出ていった。
イヴは振り向きもせずに鉄靴に魔石をはめ込んでいる。
しかし、アルバートが荷物を片づけ終えて部屋から出ると、イヴが立ち上がった。
「新作の試着をしてくれ」
「喜んで」
差し出された鉄靴には銀色の魔石が埋め込まれていた。
「この魔石の効果はなんだろうか」
「……特にない」
「ない?」
アルバートが首を傾げると、イヴは困ったような、怒ったような顔でそっぽを向いた。そのままぼそぼそと話し出した。
「僕の故郷の村の言い伝えで、自身の瞳と同じ色の魔石を渡すと、その者が無事に帰ってくるという……願掛けのようなものがある」
アルバートは、やっとイヴのその顔が照れた顔なのだと気が付いた。
引っ越しのあと、ドミニクは
「歓迎会をしなくてはいけませんね」
と言って鼻歌交じりで買い物に出ていった。
イヴは振り向きもせずに鉄靴に魔石をはめ込んでいる。
しかし、アルバートが荷物を片づけ終えて部屋から出ると、イヴが立ち上がった。
「新作の試着をしてくれ」
「喜んで」
差し出された鉄靴には銀色の魔石が埋め込まれていた。
「この魔石の効果はなんだろうか」
「……特にない」
「ない?」
アルバートが首を傾げると、イヴは困ったような、怒ったような顔でそっぽを向いた。そのままぼそぼそと話し出した。
「僕の故郷の村の言い伝えで、自身の瞳と同じ色の魔石を渡すと、その者が無事に帰ってくるという……願掛けのようなものがある」
アルバートは、やっとイヴのその顔が照れた顔なのだと気が付いた。



