「うん、本当だね。またぜひライブに来てくれないかな。あの時リハーサルから一緒にいてくれて、本当に嬉しかったの」
「私、愛斗くんとはもう連絡先を交換してるの。今度会えるかどうか、聞いてみるね」
「えっ、もう連絡先交換してたの? いつの間にそんなことしてたのよ」
「うん、リハーサルが終わって、みんなが帰った後にね。彼の方から『よかったら交換してください』って言ってくれたの」
「そうなんだね、それはよかったわ」
「うん、本当に嬉しかった」
正子は、自分の心の中にある想いを隠さず、はっきりと打ち明けた。
「実はね、私、愛斗くんのことが好きになっちゃったの。あの時自転車から守ってもらって、ずっと胸がドキドキしているの」
隣にいた仲間は少し驚いた様子で、真剣な顔で言った。
「正子、年のことを考えなよ。あなたはもう70歳を過ぎてるんだ。まだ若い愛斗くんが、あなたを本気で好きになるわけないだろう。からかわれてるだけかもしれないし、やめておいた方がいいんじゃないか」
正子は強く、でも優しく言い返した。
「恋に年齢なんて関係ないわ。数字じゃなくて、心で感じるものだもの。彼がどう思ってくれているかは分からないけれど、私が好きになった気持ちに嘘はないの」
仲間は正子の真剣な目を見て、少しだけ考えてから言った。
「そっかぁ。正子がそこまで言うなら、好きにしたらいいよ。俺は何も言わない」
「うん、ありがとう」
「うまくいったら、ちゃんと教えてくれよ。心から応援するから」
「本当にありがとう」
正子は仲間と話を終えて、ゆっくりと自分の家へと帰った。お気に入りの音楽を流しながらお風呂に入り、一日の疲れを癒やしてから、丁寧にスキンケアをしてフェイスパックをしていると、スマートフォンが軽く震えた。画面を見ると、愛斗からのLINEだった。
『今日はお疲れ様でした。またゆっくりお話ししたいです。今度、都合のいい日はありますか?』
正子は思わず頬が緩み、ゆっくりと丁寧に返事を書いた。二人は夜遅くまで、たわいもない話や音楽の話、好きな食べ物の話など、楽しくメッセージをやり取りした。そして、次の日に会う約束をした。
待ち合わせの場所には、少し早めに着いて愛斗が待っていた。正子が近づくと、愛斗はすぐに気づいて笑顔で手を振ってくれた。
「正子さん、おはようございます。待ちましたか?」
「いいえ、今来たところよ。おはよう、愛斗くん」
二人はしばらくその場で話をしてから、ありさと高も合流し、四人で駅の近くにある落ち着いた雰囲気のカフェへと向かった。窓際の席に座り、それぞれ飲み物を注文してから、高が改まった様子で話し始めた。
「実は昨日、朝一番で病院に行ってきたんだ。検査の結果、心疾患だと診断されたよ。先生には『もう一ヶ月発見が遅れていたら、命にかかわっていた可能性が非常に高かった』ってはっきり言われた。本当にギリギリだったらしい。診断が早かったおかげで、本当に助かったんだ」
正子は心から安堵した様子で、前のめりになって尋ねた。
「それは本当によかった! 何より無事でよかったわ。でも、どうして早く体の変化に気づくことができたの? 普通なら見逃してしまうことも多いって聞くけれど」
高は穏やかな笑顔で、ゆっくりと理由を話してくれた。
「実はね、会社の同僚の女性がいるんだ。その人は昔からドラマに出ていた看護師さんが大好きで、看護師を主人公にした恋愛小説を書くのが、何よりの趣味なんだよ。その子が小説の設定を考えるために、ガンに関する参考書を色々と図書室で借りてきて、一生懸命調べていたんだ。内容の難しい言葉の意味をよく私に聞いてきたり、どんな症状が出るのかなど、色々と教えてもらっていたからね。
乳がんや血液のがん、認知症についても詳しく調べていて、『病気と闘う人たちの気持ちをちゃんと書きたいから』って、熱心に勉強していたよ。その時に聞いた話のおかげで、自分の体の変化がいつもと違うことに、早く気づけたんだ。小説を書くために借りていた本が、まさか自分の命を助けてくれるなんて、本当に不思議だよ」
「そうなんだね。小説のための勉強が、こんな形で役に立ったなんて、本当によかったわ」
「はい、本当に感謝しているよ」
四人はその後も、病気のことや健康のこと、小説の話など、色々な話で盛り上がり、とても楽しい時間を過ごした。ゆっくりと話し込んでいるうちに、お昼の時間も過ぎたので、会計を済ませて店を出た。
「それじゃあ私たちはここで。二人とも、ゆっくり話してきてね」
ありさと高はにっこり笑って先に帰っていき、こうして正子と愛斗は、初めて二人きりの時間を過ごすことになった。
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「私、愛斗くんとはもう連絡先を交換してるの。今度会えるかどうか、聞いてみるね」
「えっ、もう連絡先交換してたの? いつの間にそんなことしてたのよ」
「うん、リハーサルが終わって、みんなが帰った後にね。彼の方から『よかったら交換してください』って言ってくれたの」
「そうなんだね、それはよかったわ」
「うん、本当に嬉しかった」
正子は、自分の心の中にある想いを隠さず、はっきりと打ち明けた。
「実はね、私、愛斗くんのことが好きになっちゃったの。あの時自転車から守ってもらって、ずっと胸がドキドキしているの」
隣にいた仲間は少し驚いた様子で、真剣な顔で言った。
「正子、年のことを考えなよ。あなたはもう70歳を過ぎてるんだ。まだ若い愛斗くんが、あなたを本気で好きになるわけないだろう。からかわれてるだけかもしれないし、やめておいた方がいいんじゃないか」
正子は強く、でも優しく言い返した。
「恋に年齢なんて関係ないわ。数字じゃなくて、心で感じるものだもの。彼がどう思ってくれているかは分からないけれど、私が好きになった気持ちに嘘はないの」
仲間は正子の真剣な目を見て、少しだけ考えてから言った。
「そっかぁ。正子がそこまで言うなら、好きにしたらいいよ。俺は何も言わない」
「うん、ありがとう」
「うまくいったら、ちゃんと教えてくれよ。心から応援するから」
「本当にありがとう」
正子は仲間と話を終えて、ゆっくりと自分の家へと帰った。お気に入りの音楽を流しながらお風呂に入り、一日の疲れを癒やしてから、丁寧にスキンケアをしてフェイスパックをしていると、スマートフォンが軽く震えた。画面を見ると、愛斗からのLINEだった。
『今日はお疲れ様でした。またゆっくりお話ししたいです。今度、都合のいい日はありますか?』
正子は思わず頬が緩み、ゆっくりと丁寧に返事を書いた。二人は夜遅くまで、たわいもない話や音楽の話、好きな食べ物の話など、楽しくメッセージをやり取りした。そして、次の日に会う約束をした。
待ち合わせの場所には、少し早めに着いて愛斗が待っていた。正子が近づくと、愛斗はすぐに気づいて笑顔で手を振ってくれた。
「正子さん、おはようございます。待ちましたか?」
「いいえ、今来たところよ。おはよう、愛斗くん」
二人はしばらくその場で話をしてから、ありさと高も合流し、四人で駅の近くにある落ち着いた雰囲気のカフェへと向かった。窓際の席に座り、それぞれ飲み物を注文してから、高が改まった様子で話し始めた。
「実は昨日、朝一番で病院に行ってきたんだ。検査の結果、心疾患だと診断されたよ。先生には『もう一ヶ月発見が遅れていたら、命にかかわっていた可能性が非常に高かった』ってはっきり言われた。本当にギリギリだったらしい。診断が早かったおかげで、本当に助かったんだ」
正子は心から安堵した様子で、前のめりになって尋ねた。
「それは本当によかった! 何より無事でよかったわ。でも、どうして早く体の変化に気づくことができたの? 普通なら見逃してしまうことも多いって聞くけれど」
高は穏やかな笑顔で、ゆっくりと理由を話してくれた。
「実はね、会社の同僚の女性がいるんだ。その人は昔からドラマに出ていた看護師さんが大好きで、看護師を主人公にした恋愛小説を書くのが、何よりの趣味なんだよ。その子が小説の設定を考えるために、ガンに関する参考書を色々と図書室で借りてきて、一生懸命調べていたんだ。内容の難しい言葉の意味をよく私に聞いてきたり、どんな症状が出るのかなど、色々と教えてもらっていたからね。
乳がんや血液のがん、認知症についても詳しく調べていて、『病気と闘う人たちの気持ちをちゃんと書きたいから』って、熱心に勉強していたよ。その時に聞いた話のおかげで、自分の体の変化がいつもと違うことに、早く気づけたんだ。小説を書くために借りていた本が、まさか自分の命を助けてくれるなんて、本当に不思議だよ」
「そうなんだね。小説のための勉強が、こんな形で役に立ったなんて、本当によかったわ」
「はい、本当に感謝しているよ」
四人はその後も、病気のことや健康のこと、小説の話など、色々な話で盛り上がり、とても楽しい時間を過ごした。ゆっくりと話し込んでいるうちに、お昼の時間も過ぎたので、会計を済ませて店を出た。
「それじゃあ私たちはここで。二人とも、ゆっくり話してきてね」
ありさと高はにっこり笑って先に帰っていき、こうして正子と愛斗は、初めて二人きりの時間を過ごすことになった。
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