一方、亜里沙は居心地が悪そうに立ち尽くしている。
「亜里沙、俺は、仕事に私情は挟まない主義だが、妻が絡んだらどうなるかわからない。まあ、君は、人気モデルだから一社くらい失っても痛手はないのかな」
迅があえて明るい調子で言うと、赤かった亜里沙の顔色が途端に色を失っていく。
(まあ、どちらにしても契約の更新はないが)
この数年亜里沙を起用していたMSBのミドルラインはブランドの大幅リニューアルが控えている。モデルも含めてプロモーションを刷新する予定だ。どちらにしても亜里沙の起用は今の契約をもって終了する。
そして、亜里沙は今三十二歳、二十代前半のような若々しい美しさを売りにしているが、時は止められない。それに彼女も彼女の所属事務所も気づいているはずだ。
実際、企業やメディアからの仕事は減っているらしい。だから亜里沙は迅との結婚にこだわったのだろう。たとえ落ち目になっても〝MSB経営者の妻〟という新たなブランドを手に入れられるのだから。
(俺は、誰かの飾りになるのも、誰かを飾りにするのもごめんだが)
「亜里沙、俺は、仕事に私情は挟まない主義だが、妻が絡んだらどうなるかわからない。まあ、君は、人気モデルだから一社くらい失っても痛手はないのかな」
迅があえて明るい調子で言うと、赤かった亜里沙の顔色が途端に色を失っていく。
(まあ、どちらにしても契約の更新はないが)
この数年亜里沙を起用していたMSBのミドルラインはブランドの大幅リニューアルが控えている。モデルも含めてプロモーションを刷新する予定だ。どちらにしても亜里沙の起用は今の契約をもって終了する。
そして、亜里沙は今三十二歳、二十代前半のような若々しい美しさを売りにしているが、時は止められない。それに彼女も彼女の所属事務所も気づいているはずだ。
実際、企業やメディアからの仕事は減っているらしい。だから亜里沙は迅との結婚にこだわったのだろう。たとえ落ち目になっても〝MSB経営者の妻〟という新たなブランドを手に入れられるのだから。
(俺は、誰かの飾りになるのも、誰かを飾りにするのもごめんだが)



