結婚したくないはずの俺様社長に、成婚を強行されました

「……その顔は反則だな。優しくしたいのに、余裕がなくなる」

 迅は透子の手首をシーツに縫い留めたまま、堪えるように声を落とす。

 彼の瞳の奥には、切実なほどの愛しさと欲が宿っていた。そんな目で見つめられてしまえば、羞恥も緊張もどこかへ消えてしまう。

「俺は君のものだ。だから君のぜんぶを俺にくれ」

 迅はゆっくりと顔を寄せ、透子の鼻先で甘く囁いた。

 どちらかだけが奪うのではない。互いに想いを差し出し合えることが、たまらなく愛おしかった。

「……はい」

 想いを込めてその言葉を受け入れた瞬間、唇が深く重なった。

 そのあとも、迅は何度も透子の様子を気遣いながら、愛おしむように触れ続けた。

 やがてふたりの体は隙間なく繋がる。

「……辛くないか」

「大丈夫、です」

 動きを止めた迅に、優しく髪を撫でられる。痛みもこの人が与えてくれるものなら受け入れられる。本気でそう思いながら、汗ばむ広い背中に手を伸ばす。

「愛してる、透子」

 甘く、掠れた声が何度も鼓膜を揺らす。

「迅さん、私も、愛してる……」