結婚したくないはずの俺様社長に、成婚を強行されました

 ずっと苦しくて、不安で、でもときにきらめいて甘い――空回りしていた恋心が、彼の真っすぐな言葉に丸ごと包み込まれたような感覚がした。

「君が恋愛するのが怖いのなら、不安になる暇がないくらい、俺が愛をそそぎ続ける――だから俺を選べ」

「私……」

 うまく息ができないほど胸がいっぱいになって、透子は繋がれた手をぎゅっと握り返した。

 人の気持はうつろうし、永遠はない。でもこの人はきっと約束を守ってくれるに違いないと思えた。だって、いつだって強引なほど、有言実行の人だから。

「私も今日、伝えたかったんです……あなたが好きだって」

 とうとう透子は、こみ上げてくる感情を迅に差し出した。

「迅さんを愛しています……至らないかもしれませんが、妻としてずっとそばにいさせてください」

「透子」

 声がしたと同時に、真正面から抱きしめられる。逞しい胸に包まれながら聞く鼓動は心なしか少し早い気がした。

「ああ、言われなくてもそばにいてもらうし、離さない」

 しばらく透子を抱きしめていた迅は、労わるように髪へそっと口づけを落とすと、ゆっくりと腕をほどいた。そのまま手を取り、透子をソファへと腰を下ろさせる。