どうやら、受付のスタッフが、オフィスへ助けを求めてくれていたらしい。
(もしかして、一部始終見られてた……?)
透子は恥ずかしさで、思わず目を泳がせる。
『俺のなにより大事な女性でMSBの未来の社長夫人だ』と言い切っていた迅。石井を追い払うための方便だったのかもしれないが、思い返すと胸の奥が妙に落ち着かない。
「いえ、お騒がせしました。あの様子なら大丈夫だと思いますが、今後の対応はこちらに任せてください。今日はこのまま、彼女を連れて帰っても?」
迅が落ち着いた口調で告げると、母は安堵したように表情を緩めた。
「ええ、構いません。透子。もうすぐ定時だし、今日は面談もないでしょ」
「そうですが……」
「怖い目にあったんだ。家で休もう」
躊躇する透子を宥めるように、迅はそっと肩に手を置いた。そんなやりとりを見て母は笑みを深めた。
「真壁様……いえ、これからは迅さんとお呼びしていいのかしら? 透子をよろしくお願いします」
「所長?」
親しげに声をかける母に、透子は目を瞬かせる。迅はどこか嬉しそうに口元を和らげた。
「もちろんです。お義母さん、透子は俺が守ります――生涯をかけて」
(もしかして、一部始終見られてた……?)
透子は恥ずかしさで、思わず目を泳がせる。
『俺のなにより大事な女性でMSBの未来の社長夫人だ』と言い切っていた迅。石井を追い払うための方便だったのかもしれないが、思い返すと胸の奥が妙に落ち着かない。
「いえ、お騒がせしました。あの様子なら大丈夫だと思いますが、今後の対応はこちらに任せてください。今日はこのまま、彼女を連れて帰っても?」
迅が落ち着いた口調で告げると、母は安堵したように表情を緩めた。
「ええ、構いません。透子。もうすぐ定時だし、今日は面談もないでしょ」
「そうですが……」
「怖い目にあったんだ。家で休もう」
躊躇する透子を宥めるように、迅はそっと肩に手を置いた。そんなやりとりを見て母は笑みを深めた。
「真壁様……いえ、これからは迅さんとお呼びしていいのかしら? 透子をよろしくお願いします」
「所長?」
親しげに声をかける母に、透子は目を瞬かせる。迅はどこか嬉しそうに口元を和らげた。
「もちろんです。お義母さん、透子は俺が守ります――生涯をかけて」



