結婚したくないはずの俺様社長に、成婚を強行されました

 触れ合った唇の熱がじわりと全身へ広がっていく。痺れるような感覚に、彼の胸に添えた指先が小さく震えた。

「透子……」

 唇がわずかに離れた隙間から、彼の低く掠れた声が零れる。

 ――こんなの、勘違いしてしまう。

 まるで心から求められているかのような錯覚に陥るのは、そうであってほしいと願わずにはいられないから。

 再び唇が重なり、透子は目を閉じる。

 息が苦しくなるほど切なくて、それでも離れたくなくて、透子は彼の熱を帯びた吐息を受け入れ続けた。