「時間稼ぎをして、頃合いを見計らって婚約を解消すればいい。仕事が忙しすぎる俺に放置されすぎて、君が結婚に不安を感じたって理由なら納得するだろう。俺はやっぱり結婚なんて考えるんじゃなかったと反省し、一生ひとりでいる決心をする――そういう筋書きだ」
思っていた以上に話が大きくなっている現実を前に、透子の背筋は寒くなる。
「で、でも、そもそも、迅さんのお母様は、一般人の私を嫁として認めてくださっているんですか」
結婚相談所での婚活を勧めたのは彼の母だが、希望していたのはヴェールプランだった。きっと、釣り合う家柄の女性との結婚を想定していたはずだ。
「ああ。驚くくらい喜んでいたぞ」
「でも、実際にお会いしたら気が変わるかもしれません。そういうケースたまにあるんです。成婚退会前にご両親へ挨拶したら、相性が悪くて破談になることも――」
「透子なら大丈夫だ。俺が保証する」
迷いのない声に遮られて、透子は目を丸くした。気づけば、迅は真っ直ぐこちらを見つめている。
「ここまできたら、もう逃げられないぞ。悪いが、とことん付き合ってもらう」
わずかに口元を緩めながら、迅は続けた。
思っていた以上に話が大きくなっている現実を前に、透子の背筋は寒くなる。
「で、でも、そもそも、迅さんのお母様は、一般人の私を嫁として認めてくださっているんですか」
結婚相談所での婚活を勧めたのは彼の母だが、希望していたのはヴェールプランだった。きっと、釣り合う家柄の女性との結婚を想定していたはずだ。
「ああ。驚くくらい喜んでいたぞ」
「でも、実際にお会いしたら気が変わるかもしれません。そういうケースたまにあるんです。成婚退会前にご両親へ挨拶したら、相性が悪くて破談になることも――」
「透子なら大丈夫だ。俺が保証する」
迷いのない声に遮られて、透子は目を丸くした。気づけば、迅は真っ直ぐこちらを見つめている。
「ここまできたら、もう逃げられないぞ。悪いが、とことん付き合ってもらう」
わずかに口元を緩めながら、迅は続けた。



