透子は心の中で天を仰ぐ。そんな話、ひと言も聞いていない。
「まさか、『あなたを騙すために形だけの婚活をしています』なんて言えないだろう。だから、カウンセラーである君に惚れて交際を申し込んでいると説明した」
迅は透子の母を言いくるめたように、彼の母を納得させたらしい。
「来月、母の誕生日パーティがあるんだ」
突然変わった話題に、透子はとにかく一度話を聞こうと必死に彼の声に耳を傾けた。
真壁家では、昔から迅の母の誕生日に屋敷で盛大なパーティが開かれてきたらしい。
ただ、去年は父親が亡くなってまだ半年ほどしか経っておらず、祝い事は控えていたという。今年は久々に、例年通り開催する予定なのだそうだ。
「一応、俺たち兄弟が主催者になっている。手配は弟がほとんど進めているが」
迅はそう言ってコーヒーに口をつける。きっと本人にとっては大した話ではないのだろうが、〝屋敷で誕生パーティ〟という時点で、透子には別世界の話にしか聞こえない。
「お母さま、お喜びでしょうね」
「まさか、『あなたを騙すために形だけの婚活をしています』なんて言えないだろう。だから、カウンセラーである君に惚れて交際を申し込んでいると説明した」
迅は透子の母を言いくるめたように、彼の母を納得させたらしい。
「来月、母の誕生日パーティがあるんだ」
突然変わった話題に、透子はとにかく一度話を聞こうと必死に彼の声に耳を傾けた。
真壁家では、昔から迅の母の誕生日に屋敷で盛大なパーティが開かれてきたらしい。
ただ、去年は父親が亡くなってまだ半年ほどしか経っておらず、祝い事は控えていたという。今年は久々に、例年通り開催する予定なのだそうだ。
「一応、俺たち兄弟が主催者になっている。手配は弟がほとんど進めているが」
迅はそう言ってコーヒーに口をつける。きっと本人にとっては大した話ではないのだろうが、〝屋敷で誕生パーティ〟という時点で、透子には別世界の話にしか聞こえない。
「お母さま、お喜びでしょうね」



