結婚したくないはずの俺様社長に、成婚を強行されました

(新作、やっぱり、どれも素敵よね)

 透子が見つめているのは、ルネリアの新作の製品紹介ページだった。

 以前、迅に貰ったルージュは本当に使い勝手がよくて、毎日のように使っている。今日ももちろんつけている。

 新作情報を見かけるたびに気になってしまうし、気づけば公式サイトを眺めていることもある。

 ルネリアのスキンケアからメイクまでフルラインで揃えたらどれほど気分が上がるだろうと想像してしまう。

 もちろん簡単に手を出せる価格ではないのだが、さして趣味もないのだから、すこしくらい贅沢してもいいのではなどと自分に甘くなりそうになっている。

(今度、思い切ってカウンターでタッチアップしてもらおうかな。でも、そうしたら財布の紐、ゆるゆるになりそう)

「透子さんお疲れ。今帰り?」

 画面に集中していた透子は、ハッとして顔を上げる。そこにはコーヒーが乗ったトレイを持って鈴谷が立っていた。

「鈴谷さん。お疲れ様です」

「ここ、座っていいかな」

「どうぞ。鈴谷さんはまだお仕事中ですか」

 透子が促すと、鈴谷はテーブルをはさんだ向かい側に腰を下ろした。