___初恋なんだから。
あー⋯⋯どうしよう。
今日から小鈴と目合わせられないかも。
「まさか、お前が恋するなんてなあ。
人生、何があるかわからないもんだな」
「いちばん驚いてるの僕だけどね」
「ははっ! ほんとだよ。
浅葱、誰にも興味無しって感じだったもんなあ」
⋯⋯否定できない。
最初は小鈴のことなんかどうも思っていなかった。
良く言えば興味を持てなかった。
悪く言えば、関心が無かった。
ほんと、小鈴を他の女子と同じ扱いにしようとしていた頃の自分をぶん殴りに行きたい⋯⋯。
そんなできることのない後悔に浸りながら、
僕は頭の中に小鈴の姿を浮かべた。
⋯⋯あぁ、好きだ。
僕は、この人の虜になってしまった。
「ま、とにかく応援してるぞ。
⋯⋯あの様子じゃあ、宝井は相当な鈍感だからな」
「絶対に振り向かせるんで。⋯⋯それじゃ」
僕はそれだけ告げて寮部屋に帰ろうと歩き始めた。



