___私のいなくなった図書室で、そんな緩さんの独り言がポツリと残ったことなど、私が知る由など無かった。
☆ ☆ ☆
「きりーつ、れーい」
「お願いします!」
「着席」
ふうっ⋯⋯危機一髪!
緩さんが教えてくれなくちゃ、
ちゃんと授業に間に合わなかったな⋯⋯あはは。
緩さんのおかげでちゃんと午後の授業に間に合った私は、引き出しからノートと教科書を取り出して、
先生が話していることをノートにまとめ始めた。
「浅葱は⋯⋯今回もいないか」
今回、も⋯⋯?
先生がポツリとこぼしたそんな言葉が気になった。
確かに、この一ヶ月間で教室にいる緩さんは数回しか見ていない。
「まあいい。じゃあ昨日の続きから始めるぞー」
すぐに別の話題にしていたけど⋯⋯私は、
その授業中はさっきの先生の言葉が頭から離れなかった。
「___宝井、少しいいか?」



