突然、さっきまで聞こえていたキーボードの音が止まった。
「⋯⋯? 久遠さん、どうされたんですか⋯⋯?」
「___君はさ、何者なの?」
⋯⋯⋯⋯え?
私が、何者って⋯⋯?
久遠さんが尋ねた言葉の意味が全くわからなくて、私は首を傾げることしかできなかった。
「警戒心が強めな陸も、
人には毒舌になる瑠衣も、
他人には興味を持たない緩も、
完璧主義で成績の悪い人には厳しい冬夜も⋯⋯なんで、君に構うんだろうって」
私に⋯⋯構ってる?
普段みんなと過ごしていても、そんな風に思うことはなかった。
「ただの女の子⋯⋯なわけ、無いよね。
だって、こんなにも男を手懐けているんだから」
「てなづ⋯⋯?」
「誰でもいいんだったらさ、”俺”でもいいよね?」
あれ⋯⋯久遠さん、今、俺って言った⋯⋯?
いつもの久遠さんの一人称は、確か「僕」だった気がする。
「ど、どういうことですかっ⋯⋯?」



