「あと、お前は文字を小さく書きすぎだ。
一目でわかるように大きく書いておけ」
「⋯⋯あの、いい加減お前って呼ぶのやめてもらえませんか?」
「⋯⋯⋯⋯」
この一ヶ月ほどの時間の中で、冬夜さんが私のことを呼ぶのは何度かあったけど⋯⋯
その中で私の名前で呼んだことは一度も無かった。
編入生とか、お前とか。
私には、宝井小鈴っていう名前がありますー⋯⋯。
「⋯⋯すまない。
なかなか、女子の名前を呼ばないから⋯⋯」
あんまり、女の子と話すことに慣れていないのかな⋯⋯?
なんだか、申し訳ない気持ちに覆われてしまう。
「私の方こそ、すみません⋯⋯なんか、強要するような言い方になってしまって」
「お前⋯⋯小鈴は、いいやつだな」
冬夜さん⋯⋯私が言っちゃったから、もう気をつけてくれたんだな⋯⋯。
優しい冬夜さんに気を使わせてしまって、罪悪感が募る。



