「麻痺棚君。今私のうなじ見てドキッとしなかった ?」
図書室のカウンターに座る戸室坂まひるは、隣の韓国系アイドル顔の麻痺棚俊に悪戯っぽい笑みを向ける。
「う、うん。ごめん」
「別にいいよ。これって心理的な物でね。麻痺棚君が私の話を聞いてフルメイク顔を見たからそう思うんだよね。ある意味私を意識したって事なの。この条件が無かったら、多分麻痺棚君は私のうなじ見ても何とも思わないよ」
「そ、そうなの?」
「さっきの同じ高校の男子とは付き合わないって話だけどさ。同じ高校だと色々面倒なんだよね。色恋沙汰には」
「面倒? 同じ高校の男子と付き合うのが?」
「そう。付き合うにしても、別れるにしても毎日その人は学校に来る訳でしょう? その彼氏の人間関係も絡んでくる。何人ものイケメン彼氏と付き合うってステータスが目的の私には百害あって一利無しなの」
「でも。だったらどうやって相手を見つけるの?」
「簡単だよ。顔の広い女子と仲良くなるの。そうすれば、黙っててもその娘から他校との合コン話が転がり込んでくるの」
「そ、そうなの?」
「あ。でもここで重要なのは、その顔の広い友達のビジュアルね。ある程度の美人じゃないと、合コンで連れてくる男子は芋ばっかりになるから」
「い、いろいろと条件が厳しいね」
「私って地味目だから、誘う女子達の引き立て役にはうってつけって訳。結構引き立て役の需要ってあるのよ? 合コンになったらさっき言ったメイクを使い分けてお目当ての男子を落とすだけ。あ、でも無制限に選んでないからね。一緒に参加した女子達との関係もあるから。最初は大人しく余った男子と仲良くなるの」
「最初は?」
「そう。合コンの後、最初は何人かで遊びに行くじゃない? その時競争率の高いイケメン君に餌を巻いておくの」
「え、餌?」
「使い古された手だよ。カラオケやボーリングでスマホを無くしたフリをしてイケメン君に電話して貰うの。そして「あ。バックの中にあった。ごめんねイケメン君♡」ってな具合。そしてイケメン君はグループラインじゃなくて私の個人の携帯番号を知る事になるの」
「······すごいね」
「この手を使う時は事前に化粧室でメイクのレベル2から4に上げとくの。そして自分が1番可愛く見える顎の角度で「あれ? スマホ無いかも」ってイケメン君に言うの。その後また化粧室でメイクレベルを2に戻すけどね」
「そんな下準備と後処理が」
「そうやって餌を撒いておけば、その内「2人で合会わない」ってショートメッセージが来るの。その時合コンに参加した女子達の許可が出れば付き合うし、女子達の中に真剣にイケメン君を狙っている娘がいればやんわりと誘いを断るの」
「下準備が実ったんだね」
「ここで最重要なのはとにかく参加した女子達と軋轢を生まない事。そして餌を沢山撒いておく事。ここをクリアすれば、後は勝手に向こうから連絡が来るしこちらの好みのイケメン男子を選ぶだけ」
「······なるほど。でも他校の男子限定にする1番のメリットって何かな?」
「簡単な理由だよ。物理的に距離が離れていれば、別れる時に後腐れないからね」
まひるは笑顔で断言した。俊はまひるの今のメイクレベルが1なのか0なのか気になって仕方がなかった。
図書室のカウンターに座る戸室坂まひるは、隣の韓国系アイドル顔の麻痺棚俊に悪戯っぽい笑みを向ける。
「う、うん。ごめん」
「別にいいよ。これって心理的な物でね。麻痺棚君が私の話を聞いてフルメイク顔を見たからそう思うんだよね。ある意味私を意識したって事なの。この条件が無かったら、多分麻痺棚君は私のうなじ見ても何とも思わないよ」
「そ、そうなの?」
「さっきの同じ高校の男子とは付き合わないって話だけどさ。同じ高校だと色々面倒なんだよね。色恋沙汰には」
「面倒? 同じ高校の男子と付き合うのが?」
「そう。付き合うにしても、別れるにしても毎日その人は学校に来る訳でしょう? その彼氏の人間関係も絡んでくる。何人ものイケメン彼氏と付き合うってステータスが目的の私には百害あって一利無しなの」
「でも。だったらどうやって相手を見つけるの?」
「簡単だよ。顔の広い女子と仲良くなるの。そうすれば、黙っててもその娘から他校との合コン話が転がり込んでくるの」
「そ、そうなの?」
「あ。でもここで重要なのは、その顔の広い友達のビジュアルね。ある程度の美人じゃないと、合コンで連れてくる男子は芋ばっかりになるから」
「い、いろいろと条件が厳しいね」
「私って地味目だから、誘う女子達の引き立て役にはうってつけって訳。結構引き立て役の需要ってあるのよ? 合コンになったらさっき言ったメイクを使い分けてお目当ての男子を落とすだけ。あ、でも無制限に選んでないからね。一緒に参加した女子達との関係もあるから。最初は大人しく余った男子と仲良くなるの」
「最初は?」
「そう。合コンの後、最初は何人かで遊びに行くじゃない? その時競争率の高いイケメン君に餌を巻いておくの」
「え、餌?」
「使い古された手だよ。カラオケやボーリングでスマホを無くしたフリをしてイケメン君に電話して貰うの。そして「あ。バックの中にあった。ごめんねイケメン君♡」ってな具合。そしてイケメン君はグループラインじゃなくて私の個人の携帯番号を知る事になるの」
「······すごいね」
「この手を使う時は事前に化粧室でメイクのレベル2から4に上げとくの。そして自分が1番可愛く見える顎の角度で「あれ? スマホ無いかも」ってイケメン君に言うの。その後また化粧室でメイクレベルを2に戻すけどね」
「そんな下準備と後処理が」
「そうやって餌を撒いておけば、その内「2人で合会わない」ってショートメッセージが来るの。その時合コンに参加した女子達の許可が出れば付き合うし、女子達の中に真剣にイケメン君を狙っている娘がいればやんわりと誘いを断るの」
「下準備が実ったんだね」
「ここで最重要なのはとにかく参加した女子達と軋轢を生まない事。そして餌を沢山撒いておく事。ここをクリアすれば、後は勝手に向こうから連絡が来るしこちらの好みのイケメン男子を選ぶだけ」
「······なるほど。でも他校の男子限定にする1番のメリットって何かな?」
「簡単な理由だよ。物理的に距離が離れていれば、別れる時に後腐れないからね」
まひるは笑顔で断言した。俊はまひるの今のメイクレベルが1なのか0なのか気になって仕方がなかった。

