「私の顔ってね。特徴がない分、メイク次第でかなり化けるの」
「メイク次第? そんなに変わるの?」
「変わるよ。フルメイクしたらもう大化けって感じだから」
戸室坂まひるは手にしたスマホの画面を麻痺棚俊に見せる。そこには、隣に座る地味目女子とは別人の美人が写っていた。
「え? ええ?」
俊はスマホに映る美人と地味目顔のまひるを交互に何度も見る。
「落ち着いてよーく見てみて。元のパーツは私だって分からない?」
まひるにそう言われ、俊は両目をスマホ画面に集中する。すると確かに冷静に見るとまひるの目や鼻 、輪郭は本人の物と言われてもなんとなくだが納得出来た。
「これは私のレベル5の勝負フルメイクバージョン。メイクするのに90分かかるのよ」
「レベル? バージョン?」
「そう。目的と用途に分けてメイクのレベルを5段階に分けているの」
「目的と用途?」
「うん。友達に合コン誘われた用。そこで知り合った男の子達と複数、または2人で会う時用。本命と会う用。その本命を落とす時用。とかね」
「······すごいね。そんなに使い分けているの?」
「麻痺棚君さ。なんでこの娘、こんな面倒くさい事をしているんだろう? って思ってない?」
「うん。ああ。ごめん」
「別にいいよ。私の行動原理の全ては「他人に舐められない」ようにする為なの」
「他人に舐められない為?」
「そう。人間ってさ。1度舐められたらもうそれを覆す事ってなかなか出来ないんだよね。私は自分の人生でなるべくそんな不快な思いをして過ごしたくないの」
「人生?」
「例えば勉強やスポーツ。麻痺棚君みたいに外見でもいい。他人より抜きんでた能力があれば自然と周囲から認められるけど、私にはそんな武器は無いの 。だから唯一の手持ちの武器。そこそこスタイルの身体とメイク映えするこの顔を使うしかないの」
「な、なんだかすごく深い理由があるんだね」
「私みたいに大人しくて地味目の女子に結構なイケメンの彼氏がいる。それも自分から振って次に付き合う相手もイケメン。これってかなりインパクトがあって「この娘何者なんだ?」って相手に思わせるんだよね。そう思わせたらこっちの勝ち。相手は私を軽んじる事なんて出来なくなるの」
「つまり、戸室坂さんは自分を高く見せる為にイケメン男子と付き合ってるの? でも不思議なんだよね。俺達2年生は4クラスしか無いし、誰かと付き合ったら男子の名前くらい耳に入る筈なんだけど」
「付き合わないよ。同じ高校の男子とはね」
まひるはそう言うと、手にしたゴムで肩まで伸びた髪を上げてポニーテールにした。俊はまひるの白いうなじに一瞬見とれた。
「メイク次第? そんなに変わるの?」
「変わるよ。フルメイクしたらもう大化けって感じだから」
戸室坂まひるは手にしたスマホの画面を麻痺棚俊に見せる。そこには、隣に座る地味目女子とは別人の美人が写っていた。
「え? ええ?」
俊はスマホに映る美人と地味目顔のまひるを交互に何度も見る。
「落ち着いてよーく見てみて。元のパーツは私だって分からない?」
まひるにそう言われ、俊は両目をスマホ画面に集中する。すると確かに冷静に見るとまひるの目や鼻 、輪郭は本人の物と言われてもなんとなくだが納得出来た。
「これは私のレベル5の勝負フルメイクバージョン。メイクするのに90分かかるのよ」
「レベル? バージョン?」
「そう。目的と用途に分けてメイクのレベルを5段階に分けているの」
「目的と用途?」
「うん。友達に合コン誘われた用。そこで知り合った男の子達と複数、または2人で会う時用。本命と会う用。その本命を落とす時用。とかね」
「······すごいね。そんなに使い分けているの?」
「麻痺棚君さ。なんでこの娘、こんな面倒くさい事をしているんだろう? って思ってない?」
「うん。ああ。ごめん」
「別にいいよ。私の行動原理の全ては「他人に舐められない」ようにする為なの」
「他人に舐められない為?」
「そう。人間ってさ。1度舐められたらもうそれを覆す事ってなかなか出来ないんだよね。私は自分の人生でなるべくそんな不快な思いをして過ごしたくないの」
「人生?」
「例えば勉強やスポーツ。麻痺棚君みたいに外見でもいい。他人より抜きんでた能力があれば自然と周囲から認められるけど、私にはそんな武器は無いの 。だから唯一の手持ちの武器。そこそこスタイルの身体とメイク映えするこの顔を使うしかないの」
「な、なんだかすごく深い理由があるんだね」
「私みたいに大人しくて地味目の女子に結構なイケメンの彼氏がいる。それも自分から振って次に付き合う相手もイケメン。これってかなりインパクトがあって「この娘何者なんだ?」って相手に思わせるんだよね。そう思わせたらこっちの勝ち。相手は私を軽んじる事なんて出来なくなるの」
「つまり、戸室坂さんは自分を高く見せる為にイケメン男子と付き合ってるの? でも不思議なんだよね。俺達2年生は4クラスしか無いし、誰かと付き合ったら男子の名前くらい耳に入る筈なんだけど」
「付き合わないよ。同じ高校の男子とはね」
まひるはそう言うと、手にしたゴムで肩まで伸びた髪を上げてポニーテールにした。俊はまひるの白いうなじに一瞬見とれた。

