左は陽くん、右は蓮くん。

朝起きると少しだけ肌寒い。
朝の準備を済ませる。
長袖のシャツにチェックのスカート。
その上にライトグレーのカーディガンを着た。
「莉央ー」
聞き慣れた陽の声がして、階段を駆け下りる。靴を履いてドアを開けると、陽と連が待っている。
学校に向かい校門をくぐる。下駄箱に向かう途中、金木犀の甘い香りが鼻先をくすぐった。懐かしい匂い。
ローファーから、上履きに履き替え教室に向かう。教室に入るとあきに駆け寄った。
席に荷物を置いた陽と蓮も、私の席にきた。
いつもの四人で、挨拶を交わす。
あきが真剣な表情で、口を開く。
「皆に、お願いがあるの!」
「どうしたの?」
あきは睫毛を伏せた。
「こんな事、言ったら引かれてしまうかも」
私はあきが、何を言っても引かない覚悟はある。あきの手をギュッと握りしめた。
「引かないよ!」
「約束だよ?」
蓮が眉をひそめこちらを見たが、見ないふりをした。
「うん!約束!」
あきは頬を紅潮させた。
「……土曜日にハロウィンパーティーがあるんだけど、皆で行かない?」
蓮があきをチラッと見る。
「……行くだけ?」
あきは席から立ち上がると、両手で机を叩いた。その唇はわなわなと震えている。
「……そんな訳ないじゃない」
陽がにこにこしながら、机に手を付いた。
「ハロウィンパーティーならー。コスプレしたいでしよーっ」
あきは陽の横で腕を組んで、何度も首を縦に振っている。
そして、私に視線を向けた。
「莉央!お揃いのコスしない?」
「する!!」
陽は蓮の肩に手を回すと、耳元に唇を近付けた。
「でー、蓮は行かないわけー?」
「……行くけど」
「全員参加ー」
「放課後、コスプレ用品見に行かない?」
「いいねえー」