Eternal Sky Online〜ゲームに囚われた私が、終焉の攻略者に恋をした〜

そして、私たちはその辺にあったカフェ『Skyland』に入った。
彼は静かにアイスコーヒーを飲み、喋ろうとしない…

うぅ…
こうゆう沈黙苦手なんだよ…

私はテーブルの下で足をモジモジさせた。

「なまえ…」

「えっ…!?」

「名前は?」

「あ、じゃ無い…
マ、マリスです…!」

「ふぅん…」

ふぅん…って…
何か言ってくれたって、良いじゃん…?

「ふつう…」

「えっ…?」

また、顔を上げた。

「こーゆう場合には、相手の名前も聞くんじゃない?」

「あ、え…!
あ、あの、お名前は!?」

Zephyr(ゼファー)…」

「ゼ、ゼファーさんですか…!」

「そう。」

「あ…の…
間違ってたらごめんなさい。
ゼファーって、古代ギリシア語のゼピュロスが語源じゃ無いですか…?」

私は少しだけ長く話してみた。

「へぇ…
間違ってないし、その通りだから、謝る必要は無いよ。」

彼はほんのわずかに唇の端を上げた。
その微笑みは私をどうやって試そうか?と画策してるかのようでもある。

「い…い…」

「胃…?」

「い、良い名前です!」

彼は口元を押さえた。
アイスコーヒーを飲み込んで、そして、やっと笑った。

「そこ、溜めるところなの?」

「あ、ごめんなさい…
わ、私ってコミュ障で…」

「別に。
僕的には面白かったけど?」

ナプキンで口元を拭きながら、彼は優雅にそう言った。

少しだけ空気が和んだ気がする。

「ゼファーさんは…
このゲームにいつから?
あの、すごく強かったみたいだけど…」

「2年前からね。
まぁ、あんな雑魚キャラで僕の強さを測ってほしくは無いけれど…
まぁそこそこ、かな?」

そこそこ、か。
多分、それなりに強いのだろう。
彼の言葉には何かしらの自信が隠されているようだった。

「マリスは今日からかな。」

「はい…
何も分からなくて…
コミュ障だから、パーティにも入れないし…」

つい愚痴っぽくなってしまう。
いけない…!
引かれてるよね!?

「そうか。
一つだけ忠告するなら…」

「はい。」

「さっきのは初期のイベントだよ。
次は奴が兄貴分に泣き帰って、チンピラ集団を連れてくる。
それを倒すってやつ。」

「そ、そんな…っ!!」

1人のチンピラでも私は太刀打ち出来なかった…
それなのに…
無理だ!

「多分、このカフェを出たら襲ってくるよ。」

「あの…」

「やだ。」

「ま、まだ、何も…」

「手伝って、でしょ?
僕にメリットは?」

「な、無いけど…
あの、私に出来る事なら…
お手伝いしますし…!」

「…何でも?」

「え、あ、はい…!」

「商談成立、だね?」

え?
成立した!?
まさかの!?

そして、私とゼファーさんはメンバー登録をすると、店を出た。