「うわ……何だよその格好」
玄関のドアを開けて一歩踏み出した瞬間、聞き覚えのある声が降ってきた。
そこにいたのは、本当に久しぶりに出くわした佐藤怜だった。同じ高校に進学したとは聞いていたけれど、まさか初日の朝から遭遇するなんて。
怜は足を止め、劇的に変化した私の姿を頭のてっぺんから爪先まで凝視している。その目は心底、驚きを隠せていなかった。無理もない。少し前まで金髪ヤンキーだった幼馴染が、いきなり金髪ショートのアッシュグレーのメッシュにギャルメイクで現れたのだ。
私は気まずさを隠すように、わざと長い爪で髪をかき上げた。
「何。文句ある?」
メンチを切るような私の態度に、怜は一瞬だけ呆気に取られていたが、すぐにいつものような薄い笑みに戻った。
「いや。……悪くねんじゃねーの」
ぶっきらぼうにそれだけ言うと、怜はポケットに手を突っ込んだまま、私の前を追い抜いて歩き去っていった。
「……うるせ、聞いてねっつの」
私の小さな呟きだけが、春の冷たい空気の中にポツンと取り残された。あいつの「悪くない」がどういう意味なのか、深く考えるのはやめた。今の私は、家族を守るためにこの鎧を選んだんだから。
玄関のドアを開けて一歩踏み出した瞬間、聞き覚えのある声が降ってきた。
そこにいたのは、本当に久しぶりに出くわした佐藤怜だった。同じ高校に進学したとは聞いていたけれど、まさか初日の朝から遭遇するなんて。
怜は足を止め、劇的に変化した私の姿を頭のてっぺんから爪先まで凝視している。その目は心底、驚きを隠せていなかった。無理もない。少し前まで金髪ヤンキーだった幼馴染が、いきなり金髪ショートのアッシュグレーのメッシュにギャルメイクで現れたのだ。
私は気まずさを隠すように、わざと長い爪で髪をかき上げた。
「何。文句ある?」
メンチを切るような私の態度に、怜は一瞬だけ呆気に取られていたが、すぐにいつものような薄い笑みに戻った。
「いや。……悪くねんじゃねーの」
ぶっきらぼうにそれだけ言うと、怜はポケットに手を突っ込んだまま、私の前を追い抜いて歩き去っていった。
「……うるせ、聞いてねっつの」
私の小さな呟きだけが、春の冷たい空気の中にポツンと取り残された。あいつの「悪くない」がどういう意味なのか、深く考えるのはやめた。今の私は、家族を守るためにこの鎧を選んだんだから。



