夏と冬が重なれば。番外編

冬弥くんの言葉を聞いた瞬間、私の心臓がトクンと優しく跳ねた。

あまりにも真っ直ぐで、あまりにも愛おしいその告白に、頭の中が真っ白になって、信じられない思いだけで胸がいっぱいになっていく。

(……嘘っ、冬弥くんも、だったなんて……)

ずっと片思いだと思っていた。手の届かない、完璧で格好いい男の子。そんな冬弥くんが、まさか私と同じ気持ちでいてくれたなんて。
嬉しさと愛おしさが胸の奥から溢れ出して、私は瞬きをすることさえ忘れるくらい、じっと冬弥くんを見つめた。

そして、震える声にありったけの想いを乗せて、一言一言を振り絞るようにして伝えた。

「私も……っ、私もね……っ! 冬弥くんと出会った日から、ずっと忘れられなかったのっ! あの桜の木の下で見せてくれた冬弥くんの笑顔が、ずっとずっと忘れられなくて……学校でも、ずっと目で追ってた。私もね、冬弥くんのことが、ずっと大好きだったんだよ。今も……今もずっと、大好きっ」

ずっと胸の奥に閉じ込めていた本当の気持ち。
それを全部ぶつけると、冬弥くんは驚いたように大きく目を見開いた。

「ははっ、俺達、同じ瞬間に恋に落ちてたんだな…」

そして、次の瞬間には、私の身体を壊れ物でも扱うかのように、だけど逃がさないというように力強くぎゅっと抱きしめてきた。

「咲夏……っ」

耳元で、冬弥くんの愛おしさが爆発したような、掠れた声が響く。
ゆっくりと身体を離した冬弥くんは、私の頬を包んでいた手に少しだけ力を込め、そのまま吸い込まれるように顔を近づけてきた。

そして、私の唇にゆっくりと、優しく唇を重ねた。

それは、お互いのこれまでの片思いの時間を埋めるようだった。
時折慈しむような長い、啄むようなキスは、私達の愛を確かにするようだった。

夏の眩しい太陽の光も、周りで元気に咲き誇る向日葵たちも、すべてが二人の恋路を祝福してくれているように思える。
結ばれた愛を確かめるのには、十分すぎるほど甘い時間が流れていった。

やがてゆっくりと唇が離れると、冬弥くんは至近距離で、私の目を愛おしそうに見つめてきた。

「ん……咲夏。大好き」

そう言って、青空の下の向日葵がぱぁっと一斉に咲いたみたいに、最高に眩しくて幸せそうな笑顔を向けた。

その嘘偽りのない笑顔がたまらなく愛おしくて、私も涙を引っ込め、胸いっぱいの幸せを込めて答えた。

「ふふっ、私もっ」

向日葵の海の真ん中で、私たちは手をしっかりと繋ぎ直した。

これから始まる、二人だけの新しくて輝かしい日々を、この眩しい向日葵の花言葉と一緒にずっと大切にしていこうと、私は心の中で強く誓っていた。










―――安達咲夏編、Fin.