映画館の中は、相変わらずたくさんの人で溢れかえっていた。
だけど、映画が始まってシアターの中がすっと暗くなると、周りの喧騒は一気に消え去った。大きなスクリーンに映像が映し出されている間も、冬弥くんは私の手を優しく、何度も握り直してくれた。暗闇の中で重なる手のひらの温もりが心地よくて、それだけで胸がいっぱいになる。
映画の終盤、切ないクライマックスシーンに差し掛かると、私は感動のあまり涙が止まらなくなってしまった。
(ひゃ〜、感動しすぎて泣いちゃった……! メイク、絶対に崩れてるよね!?)
映画が終わって明るくなった瞬間、冬弥くんにボロボロの顔を見られるのが恥ずかしくて、私は「ちょっとお手洗いに行ってくるね!」と言い残し、猛ダッシュで化粧室へと駆け込んだ。
鏡の前に立ち、大急ぎでポーチを取り出して気合を入れ直す。
「よし、コンシーラーもマスカラもバッチリ!」
パンパンと軽く頬を叩き、鏡の中の自分に向かって思わずガッツポーズをした。大好きな冬弥くんの前では、一秒だって崩れた顔は見せたくない。
化粧室を出て冬弥くんの元へ戻ると、彼は私を優しく見つめながら、悪戯っぽく笑った。
「実はさ、咲夏に連れて行きたい場所があって、今日は誘ったんだ」
「ええっ……?」
予想外の言葉に、私は思わず声を上げて驚いた。
連れて行きたい場所って、一体どこだろう。
そういえばこの前……夏祭りでかなり、というか、ものすごく積極的なキスを私からしてしまったような気がする。
(えええっ!? もしかして、もう次の段階に進んじゃうの……!? 急に冬弥くんの家とかだったら、私、本当に心臓がもたないかも……! いや、嫌とかじゃなくて! むしろ嬉しいけど! えええ、今のうちに心の準備とかしておいた方がいいの……!?)
最悪な妄想が頭の中を駆け巡り、顔が一気に沸騰したように真っ赤になる。
そんな風に、一人で挙動不審になって脳内パニックを起こしている私を見て、冬弥くんは耐えきれなくなったように突然吹き出して笑った。
「あははっ!! 咲夏、顔に出すぎ。一体何考えてるんだよ? あはは!」
冬弥くんは目をごしごしと擦り、少し涙をためるほど大爆笑している。
「そんなに心配しなくても、変な所には連れて行かないって。大丈夫だから、俺を信じてよ」
そう言って、冬弥くんは愛おしそうに私の頭をぽんぽんと優しく撫でた。
自分の早とちりが恥ずかしくて、私はさらに顔を真っ赤にした。
だけど、映画が始まってシアターの中がすっと暗くなると、周りの喧騒は一気に消え去った。大きなスクリーンに映像が映し出されている間も、冬弥くんは私の手を優しく、何度も握り直してくれた。暗闇の中で重なる手のひらの温もりが心地よくて、それだけで胸がいっぱいになる。
映画の終盤、切ないクライマックスシーンに差し掛かると、私は感動のあまり涙が止まらなくなってしまった。
(ひゃ〜、感動しすぎて泣いちゃった……! メイク、絶対に崩れてるよね!?)
映画が終わって明るくなった瞬間、冬弥くんにボロボロの顔を見られるのが恥ずかしくて、私は「ちょっとお手洗いに行ってくるね!」と言い残し、猛ダッシュで化粧室へと駆け込んだ。
鏡の前に立ち、大急ぎでポーチを取り出して気合を入れ直す。
「よし、コンシーラーもマスカラもバッチリ!」
パンパンと軽く頬を叩き、鏡の中の自分に向かって思わずガッツポーズをした。大好きな冬弥くんの前では、一秒だって崩れた顔は見せたくない。
化粧室を出て冬弥くんの元へ戻ると、彼は私を優しく見つめながら、悪戯っぽく笑った。
「実はさ、咲夏に連れて行きたい場所があって、今日は誘ったんだ」
「ええっ……?」
予想外の言葉に、私は思わず声を上げて驚いた。
連れて行きたい場所って、一体どこだろう。
そういえばこの前……夏祭りでかなり、というか、ものすごく積極的なキスを私からしてしまったような気がする。
(えええっ!? もしかして、もう次の段階に進んじゃうの……!? 急に冬弥くんの家とかだったら、私、本当に心臓がもたないかも……! いや、嫌とかじゃなくて! むしろ嬉しいけど! えええ、今のうちに心の準備とかしておいた方がいいの……!?)
最悪な妄想が頭の中を駆け巡り、顔が一気に沸騰したように真っ赤になる。
そんな風に、一人で挙動不審になって脳内パニックを起こしている私を見て、冬弥くんは耐えきれなくなったように突然吹き出して笑った。
「あははっ!! 咲夏、顔に出すぎ。一体何考えてるんだよ? あはは!」
冬弥くんは目をごしごしと擦り、少し涙をためるほど大爆笑している。
「そんなに心配しなくても、変な所には連れて行かないって。大丈夫だから、俺を信じてよ」
そう言って、冬弥くんは愛おしそうに私の頭をぽんぽんと優しく撫でた。
自分の早とちりが恥ずかしくて、私はさらに顔を真っ赤にした。



