それから私たちは、恋人繋ぎをしたまま映画館へと向かった。
ロビーに入ると、私は周りをキョロキョロと見回して、その人の多さに思わず圧倒されてしまった。
休日ということもあって、チケットカウンターの前には長い列ができていて、大勢のカップルや友達連れで賑わっている。
そんな私の様子を察したのか、冬弥くんが優しく覗き込んできた。
「急にきちゃったけど、咲夏は何か見たいのある?」
「うーん、そうだなぁ……。あ! 私、あの映画見たいかも! 大好きな恋愛小説が映画化されてるー!」
上映スケジュールの看板を見上げて、私は一つの作品をパッと指差した。
そこに大きく描かれていたのは、私が中学時代からずっと愛読していた小説、『蝶々結び』というタイトルの映画だった。
すると、冬弥くんが驚いたように目を丸くした。
「え!咲夏、この話もしかして知ってるの?」
「え? うん、中学の時にね、本当に大好きで何度も愛読してたの。看護師さんとお医者さんの恋愛ラブストーリーなんだけど……恋愛だけじゃなくて、人と人との繋がりの大切さを教えてくれる物語だし…それに、とてもロマンチックで、本当に大好きなストーリーなの! あと、お医者さんの告白のセリフも、すっごく素敵で……」
お気に入りの小説の魅力を伝えようと、私はつい熱を込めて一気にまくしたててしまった。
だけど、冬弥くんはさらに驚いた顔をして、それから本当に嬉しそうに目を細めて笑った。
「びっくりした。……実は俺も、その小説持ってるんだ。今でもずっと、大切に部屋にしまってあるよ」
「えええ!? そうなの!?!!」
予想外すぎる言葉に、今度は私が大声をあげそうになってしまう。
「冬弥くん、恋愛小説読むんだね……!」
「はは、普段はミステリー小説ばかりなんだけどね。でも、この小説は……きっと咲夏と同じ理由で、本当に好きだったよ。なんか、咲夏と同じ本を大切にしてたなんて、やっぱり俺たち運命だね」
冬弥くんが恋愛小説を読むなんて、普段の彼のイメージからは想像もつかなくてびっくりした。
だけど、そんな意外な共通点が、すぐ近くに、しかも私たちの出会う前から存在していたんだと思うと、胸の奥がじんわりと温かくなっていく。
繋がれた手から伝わる体温が、さっきよりももっと愛おしく感じられて、私は言葉にできないほどの幸せでいっぱいになっていた。
ロビーに入ると、私は周りをキョロキョロと見回して、その人の多さに思わず圧倒されてしまった。
休日ということもあって、チケットカウンターの前には長い列ができていて、大勢のカップルや友達連れで賑わっている。
そんな私の様子を察したのか、冬弥くんが優しく覗き込んできた。
「急にきちゃったけど、咲夏は何か見たいのある?」
「うーん、そうだなぁ……。あ! 私、あの映画見たいかも! 大好きな恋愛小説が映画化されてるー!」
上映スケジュールの看板を見上げて、私は一つの作品をパッと指差した。
そこに大きく描かれていたのは、私が中学時代からずっと愛読していた小説、『蝶々結び』というタイトルの映画だった。
すると、冬弥くんが驚いたように目を丸くした。
「え!咲夏、この話もしかして知ってるの?」
「え? うん、中学の時にね、本当に大好きで何度も愛読してたの。看護師さんとお医者さんの恋愛ラブストーリーなんだけど……恋愛だけじゃなくて、人と人との繋がりの大切さを教えてくれる物語だし…それに、とてもロマンチックで、本当に大好きなストーリーなの! あと、お医者さんの告白のセリフも、すっごく素敵で……」
お気に入りの小説の魅力を伝えようと、私はつい熱を込めて一気にまくしたててしまった。
だけど、冬弥くんはさらに驚いた顔をして、それから本当に嬉しそうに目を細めて笑った。
「びっくりした。……実は俺も、その小説持ってるんだ。今でもずっと、大切に部屋にしまってあるよ」
「えええ!? そうなの!?!!」
予想外すぎる言葉に、今度は私が大声をあげそうになってしまう。
「冬弥くん、恋愛小説読むんだね……!」
「はは、普段はミステリー小説ばかりなんだけどね。でも、この小説は……きっと咲夏と同じ理由で、本当に好きだったよ。なんか、咲夏と同じ本を大切にしてたなんて、やっぱり俺たち運命だね」
冬弥くんが恋愛小説を読むなんて、普段の彼のイメージからは想像もつかなくてびっくりした。
だけど、そんな意外な共通点が、すぐ近くに、しかも私たちの出会う前から存在していたんだと思うと、胸の奥がじんわりと温かくなっていく。
繋がれた手から伝わる体温が、さっきよりももっと愛おしく感じられて、私は言葉にできないほどの幸せでいっぱいになっていた。



