優しい君に溶けていく


「うん?どした?」


伝えなきゃ、伝えなきゃいなくなる。

涙が出てきたのを隠すように、彼に抱きついた。


「え?」

「好き」


初めて、彼氏という存在に、ちゃんと好きって言えたかもしれない。

透くんは肩の辺りを優しく抱き締めて、


「どうしたの?俺も苺ちゃんのこと好きだよ。大好き」


と、言ってのけた。

私は、離れて逃げるようにホームへ駆けていった。

泣いていたな、私。

見られていないと信じたい。


翌日。

昼休みになると、


「苺ちゃん」


と、透くんがやってくる。

いつも通り屋上でお昼ご飯。


「昨日の好き、嬉しかったな。ギューされたのは、ちょっと恥ずかしかったけど」


照れながら笑った。


「でも、なんで泣いてたの?」

「…透くんに、振られたくなかった」

「振る予定ないんだけど…」

「元カレのトラウマがフラッシュバックしたんだ。そしたら、好きって言わなきゃってなった」

「うん、そっか」


それ以上聞いてこなかった。

ただ優しく、キスをして。