ゴマすりガールと会長さま

ゴマすりガールと会長さま
会長とみんなで勉強会 第7話
当日になってしまった。この服、変じゃない
かな……大丈夫かな?
私が鏡の前でソワソワしている間にインターホンがなった。
「はーい!」
急いで下に降りて扉を開けると、会長に日奈ちゃん、涼介が立っていた。
「みんな、いらっしゃい……って涼介、あんた
なんでいんの?」
私は日奈ちゃんと勉強を教えてくれる会長しか呼んだ覚えがないんだけど……
「ちょうどそこで葵とあってさ、莉々衣の家で
勉強会するって言うから来ただけだが?」
「はぁ、まあいいか。みんな入って入って!」
私がそう言うと、三人が声を合わせて「お邪
魔しまーす!」と言った。
部屋に上がろうとすると、お母さんがリビ
ングから出てきた。
「日奈ちゃん、涼介くんいつもありがとうね。
それと君は……って、まぁ!」
何故か会長を見てびっくりしているお母さん
「お母さん、どうかした?」
「あ、いえ、なんでもないわ。それであなた
お名前は……?」
「僕は、梨々衣さんと同じ生徒会で会長をやって
いる鳥塚 悠と言います」
会長、私のお母さんの前で挨拶をして緊張は
しないんだろうか?
「悠くんね、梨々衣とこれからも仲良くしてあげてください。」
もう、お母さんってば〜!その挨拶……照れくさいよ!
「もちろんです。あの、お菓子を持ってきたので食べてください。」
「あ、わざわざありがとうね。じゃあ、今から飲み物とか用意するから、梨々衣ちゃんはみんなで上に行っててちょうだい。」
「うん分かった!みんな行こっ」
後で手伝いに行けばいいよね。
「待って、悠くん。ちょっといいかしら?」
「分かりました。」
お母さん!?さっきのといい、今といい、もしかして会長に何かあるのかな?
「じゃあ日奈ちゃん、涼介、先行ってよっか」
お母さん、会長に変なこと言わなければいいんだけど……少し心配だな。


悠視点
保科のお母さんに呼び止められた。やっぱり、気付いてるのかな?僕と保科が昔に会ってるってことを……。
「悠くん、ごめんなさいね。急に呼び止めて」
「いえ、お気になさらず」
「実は、悠くんに聞きたいことがあって……」
やっぱり、そのことか……?
「あなた……梨々衣ちゃんのこと好きでしょ!」え……?な、な、何言ってるんだ!?落ち着けここは冷静に……
「どうしてそう思うんですか?」
「だって、あなたの梨々衣ちゃんを見る目が、
とっても優しいんだもの!」
いつ、そんな目をしてた?僕は今まで、みんな平等な対応をしてたし……。とりあえず今はこう言っておこうか。
「そうかもしれませんね。」
「きゃー!やっぱり……?でも、あの子には積極的に行かないと〜!伝わらないわよ。」
「はい、そうですね」
バレてはないのかな?僕が小さい頃、保科と会ってた子だって……
「涼介くんとライバルねっ。まあ、小さい頃からずっとだったわね」
「え……?気付いて……」
「当たり前じゃない!見た時、びっくりしたわ
なのに、梨々衣ちゃんが、言って来ないって
ことは、まだ気付いてないのね……」
僕は首を縦に振った。しかし……保科のお母
さん、やっぱり気付いてたのか。そんな素振り話してる時は見せなかったから……
「まあ、私はどちらかを応援することは出来ないけど、頑張ってちょうだいね!あ、これを持って行ってくれないかしら?」
「はい、ありがとうございました。」

勉強会、いざ開始!
あ!会長、帰ってきたっ。お母さんと何話してたんだろう?
「会長、お母さんと何話して……」
「ああ、君の学園での生活を……ね」
「うぇ!?」
やだ、私が生徒会でやらかした話とか商売のこととかの話もしてるのかな!?
「例えばどんなですか!?」
「ふふっ、教えな〜い!」
「ええ!?ちょっと〜!」
私は頬を膨らましながら、会長のことを左右にゆっくり揺らした。
「あの二人、意外とお似合いっスね〜」
「……」
「まあ、私は涼介さんを応援してるっスから。
でも……最終的には、梨々衣さんが選んだ人と上手くいってほしいっス。」
私は会長と話ながらとっさにチラッと前を見ると日奈ちゃんたちがこそっとなにかを話していているのを見た。
何話してたのかな……?
気になっていたら、涼介が言ってきた。
「梨々衣、お前……早く勉強しないとやべ〜
んじゃねーの?」
「ああ、そうだった!ごめん、みんな、今から始めよっか」
むむっ、ここはどうしてこうなるんだろっ?
日奈ちゃんに……ってダメだ。日奈ちゃんの邪魔はしてはいけない。
「ねぇ、保科……大丈夫?良かったら教えるよ」
「えっ!い、良いの?」
「もちろん!そのための勉強会だし……他の人も分からなかったら言ってね」
くっ、眩しい笑顔。それに、最近は私のことをゴマすりガールじゃくて保科って呼んでる。
少し、嬉しいかも……
「ありがとうございます」
「それでここはね……」
あ〜顔が近い〜!これで、集中が出来る人なんているのかな!?
「ねぇ、ちゃんと集中してよ。」
「……あ、すみません。」
やばい、集中が出来てないことバレてた〜!
「もう一度説明するね。これはこうして……こうなるんだ。そうすると、簡単に出来るんだよ
理解できた?」
「ああ!なるほど、理解出来ました!」
すごい分かりやすい。会長ってば、なにげに完璧なんじゃ……
「あの、ここがよく分からないんで、教えてくれませんか?」
「了解。どこのところ……?」
あ、そうだよね!私ばかり構ってる訳じゃないもんね。日奈ちゃん、私に遠慮してただけで教えてもらうの我慢してたかな?
考え込んで不安になっている私の隣に涼介が、静かに座った。
「なぁ、お前さ、会長のことどう思ってるんだ」
会長たちには、聞こえないようにボソッと聞いてきた涼介。
「どうって……?」
私は手を動かしながら、涼介の言ったことの意味を考えていた。
てか、こいつ、アイス食べて……そんなに余裕なわけ?こっちは頑張ってやってるってのに。
「会長のことが好きなのか?」
「え……なっ!」
「ん?保科、どうかしたの?」
会長にも聞こえたみたいでこちらを見ている。
「大丈夫!なんでもないですよ。あはは……」
もう!こいつが急に聞いてくるから……!
「やっぱり、そうなのか……?」
涼介、なんで分かって……ってダメダメ!こいつにバレたら絶対にバカにされる!
「違うよ。そ、そうだったとしてもあんたには、関係ないでしょ!」
私は慌てて答えた。勘付かれてるかな?
「そうか、変なこと聞いたな」
「うん、大丈夫だけど……」
なんで急にそんなこと思ったんだろ……?私、顔になんか出てたかな?
こうして、あっという間に時間が過ぎた。
「ふぅ、疲れた〜!」
「会長さん、本当にありがとうございました!」
「いえいえ、仕事でだけどみんなで海に行くの
楽しみにしてるもんね。保科が」
「そうですけど〜」
むっ、だって生徒会のみんなでどこかに行く
なんて、滅多にないんだもん。
「ほら、暗くなる前に、葵と会長さんも帰り
ましょ。」
あ、そうだよね。早く帰らないと暗くなっちゃうもんね。
「今日はありがとうございました。また学校で」
「はいっス!」
「保科、またね。テスト頑張って」
「はいっ!」
やっぱり、優しいな〜。
「梨々衣、またな」
「うん、また……って、え?」
涼介が帰り際に私の頭を撫でた。
「!」
「五十嵐さん、意外と大胆にいくっすね〜」
な、なんで?いつもそんなことしないよね!
ドキドキより怖いが勝つんだけど……。
今日の涼介、なんか変かも。急に……頭を撫でたりしてさ……。