ゴマすりガールと会長さま

ゴマすりガールと会長さま
これからもふたりで…… ! 第15話
朝に生徒会に着いてみんなから昨日のことを何か聞かれるかなとソワソワしていると、姫香さんがやってきた。
「梨々衣ちゃん、会長!大変だよっ」
「どうしたんですか?」
慌てている姫香さんに聞いてみる。
「実は……ふたりが付き合ってるって噂が広まってるんだよ!」
へぇ、広まって……え!
「ど、どうしてですか!?」
「梨々衣ちゃん、私たちはなにも言ってないからね!なんか昨日のを私たち以外に見てた人がいたんだって」
あぁ、でも姫香さんたち目立ちそうだから
私たちも気付かれたのかも……
「ごめんね、私たちがうるさかったから……」
申し訳なさそうに姫香が謝っている。
「大丈夫ですよ!それより、やっぱり私が会長と付き合ってるって批判受けてますよね?」
付き合ってることがバレるのはしょうがない
むしろあの時の日奈ちゃんと話してたことでバレたのかもしれないし……
私が不安になっていると会長が近寄ってきて言った。
「梨々衣、どうして批判受けてるって思ったの
僕は何言われても気にしないよ!」
会長、私を不安にしないように言ってくれたのかな?優しいな……やっぱり好きだな。
「会長かっこいい〜!でも、大丈夫だよ……批判なんで受けてないから。むしろお似合いだって言ってたよ!」
「ほんとに?」
「うんっ!だから大丈夫だよ」
それなら良かった〜、会長に迷惑がかからないなら……
それから、廊下を通る度に何かコソコソと言われてたけど気にしないようにした。
時には近寄ってきてお似合いと言ってくれる子もいたし……
「梨々衣さん!会長と付き合ってるんですよね
お似合いですよ!」
「あ、ありがとう」
この子たちは確か……私が生徒会に入った時の依頼主だった子だ。
「君たち、前より可愛くなったよね?」
「あ、はい!梨々衣さんのおかげで好きな人と
付き合うことが出来ました。ほんとうにありがとうございました!」
「私もです!」
「良かった、幸せにねっ!」
そう言ってから微笑むと元気よくうなずいてくれた。
嬉しいな……こうやって頼られるのって。
私、もっと頼られる先輩になりたいな!
あれ……そういえば会長たちってもうすぐ卒業じゃない?そう思うとなんだか、すごく悲しくなった。
「梨々衣さん、どうかしましたか?」
「え、ううん!なんでもないよ。私、用事があるから行かなきゃ、またねっ」
「あ、はい」
あの子たちに心配されてたらだめだよね!
しょうがないことなんだから……
「梨々衣、梨々衣っ!」
「はっ、玲奈さん……どうしました?」
「大丈夫?なにか思いつめてない……?」
「えっ!大丈夫!?」
姫香さんも近寄ってきた。
やばいよ、今の私の思いをみんなに悟られてはいけない!なんとかして誤魔化さないと。
「何がです?全然、この通り!大丈夫ですよ」
上手くごまかせた。そう思ったのに……
「ウソっ!絶対に何かあるわ。分かるのよ」
玲奈さんが私の頬を引っ張った。その次に……
「そうそうっ!隠さないで〜」
そう言いながら姫香さんが後ろから抱き着いてきた。
「保科さん、我慢はなしだよ」
水瀬さん……
「そうだね。梨々衣ちゃんが我慢してるのは不安になっちゃうよ」
颯くん……
「お前、みんなを心配させんな」
春くん……なんか一人だけひどい。口調が
でも、春くんも心配してくれてるのかな……
「梨々衣、話してみてよ」
会長……もうみんな優しすぎるよ。ますます
寂しくなっちゃうじゃん
「実は……」
私はゆっくりと口を開いた。
「え、みんなが卒業するのが悲しい?」
「は、はい……」
恥ずかしくてそっぽを向くと姫香さんが飛びついてきた。
「梨々衣ちゃんかっわいい!!もう好きっ。家に
持って帰る〜」
「ちょいちょいちょい……」
本気で言っているような姫香さんを会長が慌てて止めた。
「梨々衣、大丈夫よ。私たちが卒業しても遊べばいいじゃない。前みたいに……」
え、良いのかな……
「そうだよっ!連絡手段もあるし。あ、春くんは同い年だし大丈夫だよっ!」
確かに……忘れてた。でも、あまり話さないしなぁ。
「寂しい時とか遊びたい時、梨々衣からみんなを誘ってよ。みんな喜んで返事するよ」
「本当ですか……?」
「もちろんっ!」
みんな……
「ありがとうございますっ」
私はつい嬉しくて、涙を流すと玲奈さんと姫香さんが抱きしめてくれた。
暖かいなぁ。みんな……私、この空間が好き
みんなと過ごす時間が大好きだ。

そうして月日は経ち、桜の花びらが舞う季節。
今日は会長たちの卒業式だ
たくさんの人が涙を流している。けれど、私は泣かない……もう十分だから
「先輩たち、卒業おめでとうございます」
「離れなくないです〜」
式が終わってみんなが集まってる中、私は
ひとりの人の場所へ向かう。
姫香さんたちには最初に挨拶をしたからね〜
あ、いたっ!
「会長っ!」
「梨々衣、どうしたの?」
「あ、あの、そのさ……」
私はこの間、女の子たちが話しているのを聞いてしまった。
「好きな人から第二ボタンをもらいたいな〜」
「私も〜!」
「意味は……いちばん大切な人だもんね〜」
へぇ、私も悠からもらいたいかも……お願い
してみよっかな。
……てことがあって今の状態だ。
「あのさ……悠の第二ボタンちょうだい」
意外と伝えるの恥ずかしいな……
悠は最初は驚いていたけど、すぐにいつも通りに戻ってにっこりと微笑んだ。
「ふふっ、良いよ」
「ほんとっ!?ありがとう」
「はい。梨々衣はいちばん大切な人だからね」
そう言って私の額にキスをした。
「意味……し、知ってたの!?」
「うん、さっき同じことを言いに来た子がいた
からね。意味を調べたんだ」
悠はそういうの知らないと思って言ったのに
恥ずかしいよ〜!あ、そうだっ……
「はいっ!等価交換ね」
そう言ってから私は悠にキスをした。
こういうのがやっぱり私らしいなっ!
「ほらっ、帰ろう」
「うんっそうだね」
私たちなら先に卒業しちゃっても大丈夫。
そんな気がするんだ……!