ゴマすりガールと会長さま

ゴマすりガールと会長さま
遊園地で……!? 第13話
「みんな、おはようございます!仕事とはいえ
楽しもうね」
せっかくの遊園地!仕事とかいうことは忘れよーう!
私はいつものように明るく振舞った。
「そうだね、梨々衣ちゃん今日はよろしくね」
そう言った後、颯くんは私の手を握ってから優しくキスをした。
「「えっ!」」
「まぁ!」
「おや?」
「そ、颯くん、確か初めて会った時にも……」
そう言いかけた時、後ろから声が聞こえた。
「きゃあああ!みなさん良いですよ、この調子で今日はよろしくお願いします!」
振り返ると、依頼主の方も今のを見ていたようだった。うぅ、恥ずかしい……!
「梨々衣ちゃん、僕さ本気で好きだから。今までの行動も冗談じゃないからね」
そう言われて少しドキッとする。
「今のセリフ良いですよ〜!おふたりさん、その調子で」
あ、セリフか。なぁんだ、てっきり本気かと思っちゃったよ
「冗談じゃないよ。梨々衣ちゃんのこと初めて
会った日から好きだよ」
私以外、誰にも聞こえないくらいの声で言った颯くん。
私はその言葉を聞いて顔が真っ赤になってしまった。
「花園……僕たちも行こっか。」
「はい、会長」
ふたりもやっぱりするよね。恋人らしいこと
「あっちのふたりが気になる?」
「え?」
「見てれば分かるよ。でも……今は僕のことだけ真剣に見てほしいな」
そう言った颯くんの顔は真剣で、ようやく
さっきの言葉がほんとうだったと気付いた。
「分かった、颯くんのこと真剣に考えるね」
私も向き合わないと!颯くんにちゃんと……
その後、私たちは色々なことをした。お揃い
のカチューシャを着けたり、ふたりでアイス
を食べたり、時には、あ、あーんをしてあげたりなど、依頼主の参考になるように。
「みなさん!とても良いですよ。ただ何か足り
ない気が……あ、そうです!本気の告白をしてみてくれませんか?会長と日向さんが」
告白……?
「告白……!?」
私の心の声と会長の声が重なった。
やっぱり、びっくりだよね。てことはしない
のかな?そう思っていると、、、
「良いですよ。やりましょうか、告白を……」
颯くんがそう答えた。
「良いですよね、会長っ?」
「お願いします。会長!」
そう言って依頼主さんも目を輝かせている
そして、会長がゆっくりと返事をした。
「……いいよ」
「ひゃっほー!ありがとうございます!では日向さんからお願いします」
「梨々衣ちゃん、これは君に対しての本当の気持ちだから。」
ん……わたしも向き合わなきゃ。
「君のこと、初めて見たあの日からずっと惹かれていた。キミのことを絶対に楽しませるよ、僕と付き合ってほしい。」
颯くんの目を見て本気だとすぐに伝わった。
「はい、ありがとうございます。次に会長……
お願いします」
そう言われて準備する会長。私の横を通った時にボソッと会長がつぶやいた
「保科、見ててほしい」
何だか、会長も本気な様子だった。やっぱり会長は姫香さんが好きなのかな……?そう思うとやっぱり、すごく悲しくなった。
「僕と君の出会いはあまり良い感じでは無かったけれど、君と過ごしていくうちにどんどん興味がわいてきて今じゃこんなに惹かれている。
こんな僕だけど、付き合ってください」
こんなの、好きになっちゃうよ……ずるいな
会長は。姫香さん、羨ましいな……
「会長、すごく良かったです!やっぱり誰か想っている相手がいるんでは?」
会長が依頼主さんと話し込んでいる。なんだか、気になっちゃうな……
「梨々衣ちゃん、見ててくれた?」
颯くんがあちらから駆け寄ってきた。
「颯くん!もちろんっ」
「あのさ、改めて伝えたいからこっちに来てくれないかな?」
「分かった。」
私は、颯くんと観覧車の近くのベンチへと向かった。
「さっきのは全部ほんとうで一緒にいてすごく
楽しいし、きみを笑顔にしたいって思うんだ。
だから君のとなりにいるのは僕じゃだめかな」
どうしよう、颯くんに告白の答えを伝えたいのに緊張して声が上手く出せない……
「梨々衣ちゃん。ゆっくりで大丈夫だよ」
「うん……あ、あのね、颯くんといると私も楽しいよ。でも、ごめんなさい!私……」
「分かってる。会長が好きなんだよね?」
私はゆっくりとその言葉にうなずいた。
「ごめん、ごめんね。」
「大丈夫、そんな気はしてたからさ」
ほんとうにごめんなさい。気持ちに応えられなくてごめんなさい。
颯くんに何回も心の中で謝った。
「梨々衣ちゃん、君をそばで支えることはできなかったけど、僕は梨々衣ちゃんの味方だから。
頑張ってね」
「ありがと、ありがとう」
泣きたいのは颯くんだから、振った側の私に泣くことなんて許されない。我慢しよう……
そう思って立ち上がった時だった。
「保科っ!」
遠くから会長が走ってくるのが見えた
「かい、、、ちょう?」
「良かった。会長、梨々衣ちゃんのことをよろ
しくね。それじゃ、僕は先に戻るから」
颯くんはこの場を去って行った。
「会長、どうしてここに?」
「あ、保科を探していたんだ。伝えたいことが
あって」
伝えたいこと……?私、なにかしちゃったかな
そう思っていると会長は私の手をとって観覧車の中に入っていった。
外はきれいな日が出ていて夕方だ。
「あのさ保科、日向がもう伝えたみたいで手遅れかもしれないけどさ、ちゃんと伝えておきたくて……僕、保科のことが好きなんだ」
「はい……って、えっ!?」
私は驚きを隠せずに固まっていると、会長は話を続けた。
「保科……僕が今度こそ絶対に守るから!」
そう言ってから私の額にキスをした。
その瞬間に私は昔のことを思い出した……
昔に仲良くしていた男の子のことをその姿が、今の会長に重なったんだ。
「会長、あなたはもしかして……悠くん?」
「そうだよ。やっと気付いた?」
いたずらっぽく笑う会長
「うそ……待って頭が混乱しそう。会長が私の
ことを好き?」
「そうだよ。昔からずっとね」
知らなかった。昔から私のことを思ってくれていたとは……デコちゅーもどうりで懐かしい感じがしたわけだ。私が最初にしたことだったから
「会長……」
両思いなことがわかったけれど、口にするのが怖い……で、でも、会長も颯くんもせっかく勇気を出したんだ。私も頑張らないと……
私は勇気をだして会長の方に近寄りそっと口にキスをした。
「会長……好き、大好きっ!私を彼女にして。」
い、言えた。やっと言えた……
私は言葉を口に出せて満足していると、今度は会長が固まってしまった。
「会長?おーい会長〜」
声をかけると、会長は動き出したが、顔が真っ赤に染まっていった。
「ご、ごめん。嬉しくてさ」
「大丈夫ですけど、会長っ!好きって言ってく
ださいよ。」
「へっ?」
びっくりしている会長に追い討ちをかけるように言った。
「会長好きっ」
「……僕も好きだよ。梨々衣」
「なっ!」
や、やられた……急な名前呼びはずるい。
「ふふんどうした?梨々衣も呼びなよ。悠って」
「ゆ、悠……これでいい?」
お、思ったよりも恥ずかしい……
「うん。でも待って……まだ、莉々衣が僕の恋人って実感がないや」
「それは私もだよ!」
観覧車を降りる時間がやってけれど私たちはそのまま観覧車に乗り続けた。
「梨々衣、絶対大切にするから」
「ありがとっ。」
そうして私たちはゆっくりと唇を重ねた。
会長との時間を何よりも大切にしていきたいな


悠視点
「あのさ保科、日向がもう伝えたみたいで手遅れかもしれないけどさ、ちゃんと伝えておきたくて……僕、保科のことが好きなんだ」
「はい……って、えっ!?」
保科がなにやら驚いている様子だけど、僕はそのまま話を続けた。
「保科……僕が今度こそ絶対に守るから!」
昔みたいに守ってもらうことはもうやめだ。
次は僕が保科を守っていきたい……
そう思いながら、額にキスをした。昔、保科がやってくれたように……
すると、保科は震えた声で言った
「会長、あなたはもしかして……悠くん?」
「そうだよ。やっと気付いた?」
僕は、いたずらっぽく笑った。
今まで全然気付いてくれなかったし、これくらい良いよね。
「うそ……待って頭が混乱しそう。会長が私の
ことを好き?」
「そうだよ。昔からずっとね」
昔からって迷惑だったかな?良い人のふりををしてずっと好意を隠してたから。
「会長……」
その一言を言ってからずっと黙り込んでいた保科……すると、急に動き出して僕の口にキスをした。
「会長……好き、大好きっ!私を彼女にして。」
ん……?夢かな……
「会長?おーい会長〜」
保科が僕に話しかけている。そしてようやく気付いた。現実だと……
僕は今きっと顔が真っ赤になっているだろう
なんか、恥ずかしいな。
「ご、ごめん。嬉しくてさ」
「大丈夫ですけど、会長っ!好きって言ってく
ださいよ。」
「へっ?」
びっくりして今度こそ夢だと思った。
そして次の瞬間、不意打ちで保科が言った
「会長好きっ」
僕も負けてらんないな……
「……僕も好きだよ。梨々衣」
「なっ!」
少しだけ緊張したけど、これなら莉々衣も僕にドキドキしてくれるはず……
「ふふんどうした?梨々衣も呼びなよ。悠って」
「ゆ、悠……これでいい?」
梨々衣は顔を真っ赤にしながら下を俯いた。
ふふっ可愛いな……。
「うん。でも待って……莉々衣が僕の恋人っていう実感がないや」
「それは私もだよ!」
梨々衣も……か。まぁこれから二人で少しずつ恋人らしいことをしていけばいいか。
莉々衣が最初で最後の彼女だし……


夢じゃない?
「悠……もうっ!ほら降りるよ」
「待って……もう少しだけ」
「待てないよ!従業員の人に迷惑がかかっちゃうから。行くよ」
これ以上は私の心臓も持ちそうにないし……
「あ、待って……」
そう言われて待っていると、悠が私の手を
とった。
「もう……」
「ごめん、もう少しだけ……ね」
「いいよ」
正直、私もこうしていたかったし……そう思ってはいるけれど、恥ずかしいから伝えるということはしないでおく。
「みんな帰ったよね?」
「うん、先帰ってていいよって連絡したから」
悠、準備が早いな……
「梨々衣、送っていくね」
「え、いいのに……」
もう暗くなってきたし……
「僕がもう少し一緒に居たいからさ」
「ふふっありがとう」
あれ?そう言えば、あの告白って誰に向かってだったんだろう?
「ねぇ悠。さっきの姫香さんへの告白って……」
「ああ、梨々衣宛にだよ。花園にって思ってもどうしても梨々衣のことを考えちゃって……」
そう即答され、顔が赤くなる。まさか、あれ私に言ってるなんて思わなかったよ〜!
まさか、ぜんぶ夢?そうなのかも!
「梨々衣、大丈夫だよ。夢じゃないから」
「え、声に出てた?」
「ううん、何となくで」
すごい!よく私のことを分かってるな……
私も悠が何考えてるかすぐ分かるくらいになりたいな。
そんな感じの話をしていたらあっという間に家に着いた。
「あ、悠ここ私の家。ありがとっ、家まで送ってくれて……また明日」
「うん、また明日学校でね」
「あ、悠!待って……」
私は悠を呼び止め、背伸びをしてからそっと
キスをした。
「おやすみなさい」
「うん……おやすみ」
暗くてよく見えなかったけど、悠の顔……絶対赤くなってたよね。
は〜あ、今日はすごく予想外なことたくさんあったな〜。でも、そのおかげで悠と付き合えたんだし、依頼主さんに感謝かな〜
今でもまだ夢みたいな話だけど、これから少しずつ慣れていこう……