ゴマすりガールと会長さま

ゴマすりガールと会長さま
みんなで海!? 第10話

「う、海だ〜!」

そう私、保科 梨々衣は、生徒会の人達と海に
来ています!

「こら、はしゃぎすぎないの!」

玲奈さんのこの声がけが恒例になったな~

「はーい!」

みんなも絶対!少しは!はしゃいでるはずだけどな

あれ……?空風さん、あまり楽しそうじゃない

けど、やっぱりまだ落ち込んで……

同じ生徒会の仲間としては、せっかく海に来てるんだもん。早く元気になってほしいな

私がそう思っていると、空風さんの様子に気付いた姫香さんが笑顔で言った。

「ねぇ、春くん!一緒に遊ぼ!」

「え?で、でも……」

「大丈夫だよっ!行こっ!」

空風さんの手を引いて走り出した姫香さん

「何が大丈夫なのよ。まだ海の家の方にご挨拶をしてないじゃない」

「まあまあ、あれは花園にしか出来ないことじゃん。
だから、先に僕たちだけで挨拶に行こう」

確かにあれは、姫香さんにしか出来ないや……

「おはようございます。あの、星宮学園、生徒会長の
鳥塚 悠です。」

みんなで海の家に入ったが、代表で会長が先に挨拶をした。

「ああ!今日はよろしくね。せっかく来たんだから、準備が出来るまで遊んできな!」

「で、でも……準備も手伝いますよ」

会長はそう言ったけれど、海の家の店主さんの押しが強く、お言葉に甘えさせてもらった。

「ありがとうございます。みんな、時間まで海で遊んで来ようか。」

やっぱり、手伝いも良いけど、海で遊ぶのは楽しい
よね!

「日奈ちゃん、行こっ!」

「は、はいっす!」

「えいっ!」

私は日奈ちゃんにぴしゃっと水をかけた。

「わぁ!?ひ、ひどいっすよ~!莉々衣さんっ」

「へへっ!」

日奈ちゃんを見て微笑みながら、後ろに下がった時、何かが足にぶつかって体勢を崩した。

「きゃ!……って、うわ〜!!」

ぴしゃん!という音を立て、盛大に後ろへとダイブ
した。

「梨々衣さんっ!大丈夫すか!?」

「だ、大丈夫……」

めっちゃびっくりした〜!心臓飛び出るかと思った~!

「すみません、大丈夫ですか?」

立ち上がろうとすると、ボールの持ち主らしき人が声を掛けてきた。

「は、はい、大丈夫ですっ!あの、このボールって……」

「はい、俺たちのっす。あざま~す……って、梨々衣?」

顔をあげた際に男の人は、びっくりした表情で私の名前を呼んだ。

あれ?なんでこの人、私の名前知って……

私も顔を上げるとそこには、すごい見覚えのある人が
いた。

「りょ、涼介!?なんでここに……!」

「遊びに来てんだよ。友達と……」

友達と……?

「おーい、涼介~!ボールあったか?」

あ、ほんとに友達と来てたんだ。じゃあ、たまたま
同じ日に……

「あれ~?もしかして……ナンパか!?」

「は?」

ああ、この声は水野 舜だ。涼介の親友らしく、学校で会う時もだいだいは一緒にいる

あれ、もしかして私だって気付いてない……?

「そんな可愛いお姉さん達を……保科が知ったら怒るぞ~!」

は?なんで……私が怒るわけ?

「バーカ!こいつらが、可愛いって……お前の目は節穴か~?」

「なっ……!あんたってやつは〜!」

私は、軽く涼介の頭を叩いた。

「え?その声、も、もしかして……保科~!?じゃあ、もう一人は葵さん!?」

「そうだけど……」

やっぱり、気づいてなかったんだ。

「全然、気付かなかったなんて……どぉう?似合ってる?」

冗談で言ったつもりだった。どうせ、バカにされる
気がしてるから。

「すっげぇ~似合ってる!ほんと、別人かと思ったよ!」

「そ、そう……?」

お世辞だって分かってるけど……そんなに褒められると思ってなかったよ。ああ言った私が恥ずかしくなる
じゃん

私がそっぽを向くと、横にいた日奈ちゃんが口を開いた。

「そうっすよね!やっぱり、この水着にして正解だったっす!」

日奈ちゃんまで……!

「あ、ああ!なんか、葵って思ってたやつと違うんだな……」

「あ……いやだったすか?」

日奈ちゃん、分かりやすいくらいにしゅんとしちゃった。でも水野は嫌味を言ったりするやつじゃないから、絶対にそんなこと思ってないよ!

私がそう言おうとした時、先に水野が言った。

「そうじゃないよ。俺、お前みたいなやつ好きだなって思って!」

やっぱりね……水野はこういうやつだもん。

「あ、ありがとうございますっす……」

日奈ちゃんが珍しく照れてる!もしかして……

「おい、舜!アイツら待ってるからいくぞ」

「あ、そうだった!またな。二人とも!」

「うん、またね~」

「またねっす……」

日奈ちゃんの声は、段々と小さくなっていた。

あの二人の姿が見えなくなった後、後ろに振り返って日奈ちゃんに質問をしようとしたら、先に日奈ちゃんが口を開いた。

「梨々衣さん、あの人の名前は……」

やっぱり~絶対そうだ!

「水野 舜だよ!日奈ちゃんさ、もしかして……」

「ま、まだ、分からないっすよ!」

ああ、何言いたいかは、分かってる様子だ。

「ふふっ、はたしてそうかな~」

「からかわないでください!あ……」

日奈ちゃんはあ……という声を出して私の後ろを見つめていたので、振り返ってみた。

「保科、友達をからかって遊んでたの?」

「うぇ!か、会長~!?」

な、なんで、さっきまであっちの方で店主さんと話してたじゃん!

「海水を取りに来たついでにちょっとね……」

「まさか、ずっと見てましたか……?」

「いや、そうでもないよ。あの二人と別れる少し前らへんからね。」

それって、ほとんど最初の方じゃないか!

「見てるじゃないですか~!」

「はははっ、ごめんって」

会長と話していると、またまた後ろから声が、聞こえた。

「梨々衣ちゃん」

「あ、颯さん!どうかしましたか?」

颯さんも海で少し遊びに来たのかな?

「梨々衣ちゃんの顔を見たくてね。今日の水着似合ってるよ、可愛い」

「へっ……!?」

そんな、ド直球に……!

「日向、何の用かな?」

あれ?なんか、会長が怖い顔してる……

「あれ?会長、何してるんです?あなた、海水を取ってくるように頼まれてたじゃないですか〜もしかして……仕事放棄ですか?」

颯くんも怖い顔だ。どうしよう!あ、日奈ちゃん……っていない!?いつの間に……

「だいだいあなた、梨々衣ちゃんに水着、似合ってるって言いました~?」

言われてないな。まぁ、言われてもお世辞だろうけど……

「あ、その、言うタイミングがなかっただけで、今日
見た時から世界一可愛いと思ってた。」

「///!」

会長はそう言い放った後、私たちに顔を向けずに後ろ向きになった。

せ、世界一って……!しかも、照れるならそんな堂々と言わないでよ。こっちまでドキドキするじゃん!

「ふーん。じゃあ僕、戻るから」

颯さんは、少し不機嫌そうに海の家へと戻って行った。

「あ、僕も戻るね……」

「……はい、また後で」

むぅ!会長、なんであんな……しかも、颯さんの前でさ!照れるじゃんよ。



颯視点

「あら、あなたは行かないの?」

「うんっ、あまり気が乗らなくてね。君は…?」

僕は見てるほうが楽しいかな……。

「奇遇ね。私もよ」

あれっ?意外だな。誘われたら、海で遊ぶと思ったのに……

「誰か〜!海水を取ってきてくれ!」

という、店主さんの声が聞こえた。

僕が行ってこようかな……。そう思った時、会長の方が先に動き出した。

「あ、僕が行ってきますよ!」

「ありがとうね!」

先を越されちゃった……次は、僕が行こっと。

なんだか、会長嬉しそう……?会長を取りに行くだけ
なのに?

その理由は、会長が向いている方を見るとすぐに分かった。莉々衣ちゃん達の方を見てる……

「あら、楽しそうね。会長……」

やっぱり、梨々衣ちゃん達の方に……!

「僕も行ってくるね。」

「まあ!もしかして……」

勘づいているな……

「うん、梨々衣ちゃんのとこにね」

悪いけど、会長には負けてられない。

梨々衣ちゃんの声が段々と聞こえてくる

「見てるじゃないですか~!」

「はははっ、ごめんって」

やっぱり、会長は……

「梨々衣ちゃんっ」

「あ、颯さん!どうかしましたか?」

僕の方を見つめて聞いてくる莉々衣ちゃん

「梨々衣ちゃんの顔を見たくてね。今日の水着似合ってるよ、可愛い」

やっぱり、莉々衣ちゃんにははっきり言わないと伝わらないからね。

「へっ……!?」

照れてる、ふふっ。やっぱ面白いや……それに可愛い

「日向、何の用かな?」

その顔……邪魔するなって顔だね。でも、それは出来ないから。近くには、梨々衣ちゃんの友達がいたけれど気にせず、僕は会長に負けずに言い返した。

「あれ?会長、何してるんです?あなた、海水を取ってくるように頼まれてたじゃないですか~もしかして……仕事放棄ですか?」

梨々衣ちゃん、困った顔してる……でも、ごめんね。
……あ、そういえば、さっき梨々衣ちゃんの隣にいた
あの友達の子がいない……まぁいいか

「だいだいあなた、梨々衣ちゃんに水着、似合ってるって言いました~?」

どうせ、言ってないだろうけど……会長はそんなことを言うタイプじゃないしね。

そう思っていたのに……!

「あ、その、言うタイミングがなかっただけで、今日
見た時から世界一可愛いと思ってた。」

「///!」

会長は、言わないと思ってた。それに、女子とあそこまで仲良くしているのは、初めてみるからね。それほど、気を許しているということ

「ふーん。じゃあ僕、戻るから」

梨々衣ちゃん……僕が言った時よりも反応が良い。
今のところは、会長の方が……ううん、僕は負けない
からっ!


あーあ、日奈ちゃんはいつの間にか居なくなってたし……私も戻ろっと。

「ただいま戻りました~」

「梨々衣さん!」

……みんな、戻ってきてるじゃん!待たせちゃったかな?

「あの、遅くなってすみません!」

「大丈夫だよ、花園たちも今来たとこだったし」
よ、良かった~!店主さんもまだ来てなさそうだし、ギリギリセーフだよね。

「みんな、待たせてしまったかな?改めまして
今日はよろしくね!」

「はい、よろしくお願いします!」

よ〜し!頑張って、働いちゃうぞ~!