泣きじゃくる君にキスを


その場で連絡先を交換して、解散することになった。

次の土曜日。

俺は菜央を家に招いて、映画を観ていた。

菜央は実家暮らしだから、一人暮らしの俺の家でデートが主流になりそうだ。

もしくは外でデート。

そんな、今日は至って健全で普通なデートだった。

脚の間に菜央を入れて、抱き締めて観ていた。


「そろそろ帰るね」

「うん、気をつけてね」

「ばいばい」


これが、普通のデートの終わりだった。


平日、こないだの合コンのメンツにいた男からメッセージが来た。


<こないだ連れ帰った子、どうだった?相性>

<付き合ったけど?>

<え、やってねーの?>

<まあ。自宅で映画鑑賞会しかしてないわな>

<うわ、じゃあまずいわ>

<は?>

<俺が持ち帰った子、お前の子に翔が遊び人だったの教えたって鼻高々に言ってたぞ>


手からするりとスマホが落ちた。

今の俺は、菜央に対してそういうことはしない。


<何してくれてんだよ>

<俺に言われても>


俺は頭を抱えた。

困った、菜央に嫌われたら、始まったばかりのこの恋が終わってしまう。

とにかく今の菜央の状態が知りたくて、メッセージを送った。


<菜央、日曜日うち来れる?>


しばらく返事はこなかった。

翌朝になってやっと、


<行く>


と、熱のない返信がやってきた。