推しの声がメロすぎて困ってます

「ただいまー!」

玄関を開けるなり、自分の部屋へ一直線。

制服のままベッドへ飛び込み、
アニメイトの袋から慎重にBlu-rayを取り出した。

「はぁ……かっこいい」

ジャケットには、
ライブ衣装に身を包んだSKY5の五人。

その眩しい笑顔を見るだけで、自然と頬が緩む。

さらに袋の中から、アニメイト限定特典のブロマイドを取り出す。

そこには、マイクを手に優しく微笑む橘悠真が写っていた。

「……尊い」

思わず胸に抱きしめる。

私の部屋は、普通の女子高生の部屋とは少し違う。

壁一面にはSKY5のポスター。

その隣には、橘悠真がこれまで演じてきたキャラクターたちのポスターが何枚も並んでいる。

棚には、アクリルスタンドやフィギュア、ぬいぐるみが綺麗に飾られ、Blu-rayやCDは発売順に整然と並んでいた。

そして、ベッドに寝転べば真っ先に目に入る天井には――

橘悠真の等身大ポスター。

毎朝目覚めた瞬間に「おはよう」、眠る前には「おやすみ」と心の中で話しかけるのが、もう何年も続く私の日課だ。

ここにある一つひとつのグッズには、
私の思い出が詰まっている。

嬉しかった日。

落ち込んだ日。

泣きながらラジオを聴いた夜。

全部、橘悠真の声と一緒だった。

この部屋は、私の楽園。

そして、世界で一番落ち着ける場所。

私はブロマイドを傷つけないようにスリーブへ入れ、専用のファイルに大切にしまう。

それからBlu-rayをプレーヤーへセットし、リモコンをのボタンを押す。

「よし……!」

ライブのペンライトを、握りしめる。
 
画面が暗転。

そして、会場を埋め尽くす歓声とともに、ライブ映像が始まった。

今日一番のお楽しみが、いよいよ始まる。