コラボカフェをあとにした私たちは、
そのまま乙女ロードにある同人ショップへ向かった。
店内には背の高い本棚が何列も並び、その中には数え切れないほどの同人誌がぎっしりと詰まっている。
棚と棚の間は、人が一人通るのでやっと。
すれ違うだけでも「すみません」と声を掛け合うほど狭い。
「じゃあ、私はあっち見てくるね〜」
「はーい」
私と真美さんは自然と別れ、
それぞれお目当ての棚へ向かった。
同じ『スポラ』好きでも、
好きな作品や推しは意外と違う。
だから、一緒に来ても行動はほとんど別々だった。
店内を見渡すと、年齢も服装もさまざまな人たちが真剣な表情で本棚と向き合っている。
昔より、腐女子って本当に増えたなぁ。
最近では漫画やアニメだけじゃなく、
映画やドラマでもBL作品を見かけるようになった。
でも私は、あくまで二次元派。
実写作品にはほとんど手を出したことがない。
反対に、真美さんは何でも楽しめるタイプ。
街で仲の良い男の人同士を見かけるだけで、「この二人、絶対いい」なんて真剣な顔で言い始める。
しかも、その場で攻めと受けまで考えているらしい。
ちなみに真美さんは攻め推し。
私は受け推し。
そのせいで、おすすめを紹介し合っても、
たまに解釈違いで笑い合うことがある。
同人誌の面白いところは、人それぞれ好きなカップリングも、攻めと受けの組み合わせも違うこと。
同じ作品なのに、世界がまったく変わる。
もちろん、悠真が演じているキャラクターで妄想されている本もある。
……そして私は、高確率でそのキャラを受けとして読んでしまう。
「うん、今日も尊い」
思わず頷いてしまう。
さらに、BLの楽しみは漫画だけじゃない。
ドラマCD。
好きな作品を声優さんたちが演じてくれるあの時間は、何度味わっても幸せだ。
もちろん一番好きなのは悠真の声。
でも、受け役が上手な声優さんもたくさんいて、
そのたびに新しい作品へ手を伸ばしてしまう。
結果――
財布だけが、どんどん軽くなっていく。
「……オタクって、お金かかるなぁ」
思わず苦笑した。
そんなことを考えながら棚を眺めていると、
肩をトントンと叩かれた。
振り返ると、紙袋いっぱいに本を抱えた真美さんが立っていた。
「瑠奈ちゃんはどうする?」
「今日は大丈夫です」
「そっか。じゃあ私だけ買ってくるね〜」
「はーい」
正直、今日は見るだけで満足だった。
本棚から一冊ずつ取り出して、
表紙やタイトルを確認して、また元の場所へ戻す。
その作業を何十分も繰り返すだけで、
意外と体力を使う。
それでも、周りのみんなは宝探しでもするように楽しそうだった。
「お待たせ〜!」
レジを終えた真美さんが、ずっしりと重そうな紙袋を提げて戻ってくる。
「瑠奈ちゃん、まだ行きたいところある?」
「私は大丈夫ですよ」
「そっか。今日は付き合ってくれてありがとね」
「こちらこそです!」
私たちは駅まで歩きながら、今日買ったグッズや『スポラ』の話で盛り上がった。
推しを語って、美味しいものを食べて、
大好きな作品に囲まれる。
そんな何気ない一日が、
私にとっては何より幸せだった。
そのまま乙女ロードにある同人ショップへ向かった。
店内には背の高い本棚が何列も並び、その中には数え切れないほどの同人誌がぎっしりと詰まっている。
棚と棚の間は、人が一人通るのでやっと。
すれ違うだけでも「すみません」と声を掛け合うほど狭い。
「じゃあ、私はあっち見てくるね〜」
「はーい」
私と真美さんは自然と別れ、
それぞれお目当ての棚へ向かった。
同じ『スポラ』好きでも、
好きな作品や推しは意外と違う。
だから、一緒に来ても行動はほとんど別々だった。
店内を見渡すと、年齢も服装もさまざまな人たちが真剣な表情で本棚と向き合っている。
昔より、腐女子って本当に増えたなぁ。
最近では漫画やアニメだけじゃなく、
映画やドラマでもBL作品を見かけるようになった。
でも私は、あくまで二次元派。
実写作品にはほとんど手を出したことがない。
反対に、真美さんは何でも楽しめるタイプ。
街で仲の良い男の人同士を見かけるだけで、「この二人、絶対いい」なんて真剣な顔で言い始める。
しかも、その場で攻めと受けまで考えているらしい。
ちなみに真美さんは攻め推し。
私は受け推し。
そのせいで、おすすめを紹介し合っても、
たまに解釈違いで笑い合うことがある。
同人誌の面白いところは、人それぞれ好きなカップリングも、攻めと受けの組み合わせも違うこと。
同じ作品なのに、世界がまったく変わる。
もちろん、悠真が演じているキャラクターで妄想されている本もある。
……そして私は、高確率でそのキャラを受けとして読んでしまう。
「うん、今日も尊い」
思わず頷いてしまう。
さらに、BLの楽しみは漫画だけじゃない。
ドラマCD。
好きな作品を声優さんたちが演じてくれるあの時間は、何度味わっても幸せだ。
もちろん一番好きなのは悠真の声。
でも、受け役が上手な声優さんもたくさんいて、
そのたびに新しい作品へ手を伸ばしてしまう。
結果――
財布だけが、どんどん軽くなっていく。
「……オタクって、お金かかるなぁ」
思わず苦笑した。
そんなことを考えながら棚を眺めていると、
肩をトントンと叩かれた。
振り返ると、紙袋いっぱいに本を抱えた真美さんが立っていた。
「瑠奈ちゃんはどうする?」
「今日は大丈夫です」
「そっか。じゃあ私だけ買ってくるね〜」
「はーい」
正直、今日は見るだけで満足だった。
本棚から一冊ずつ取り出して、
表紙やタイトルを確認して、また元の場所へ戻す。
その作業を何十分も繰り返すだけで、
意外と体力を使う。
それでも、周りのみんなは宝探しでもするように楽しそうだった。
「お待たせ〜!」
レジを終えた真美さんが、ずっしりと重そうな紙袋を提げて戻ってくる。
「瑠奈ちゃん、まだ行きたいところある?」
「私は大丈夫ですよ」
「そっか。今日は付き合ってくれてありがとね」
「こちらこそです!」
私たちは駅まで歩きながら、今日買ったグッズや『スポラ』の話で盛り上がった。
推しを語って、美味しいものを食べて、
大好きな作品に囲まれる。
そんな何気ない一日が、
私にとっては何より幸せだった。



