推しの声がメロすぎて困ってます

「あのスポラがコラボカフェになるなんてね〜」

「ですよね!アニメ化して一気に人気が爆発しましたもん!」

私たちは期待に胸を膨らませながら店内へ入る。

それぞれの推しをイメージしたフードとドリンクを注文し、料理が運ばれてくると、バッグからぬいぐるみとアクリルスタンドを取り出した。

「はい、こっち向いて〜」

「この角度可愛い!」

二人で写真を撮り終える。

「……完璧」

思わずニヤけてしまう。

でも、店内を見渡せば、
みんな同じような顔で推しを眺めていた。

ここでは、それが普通。

誰も恥ずかしいなんて思わない。

「尊すぎて……食べられない」

「わかる」

真美さんも真剣な顔で頷く。

しばらく二人で眺めたあと、

「……いただきます!」

意を決して、一口。

「美味しい……!」

「ほんとだ〜!」

思わず顔を見合わせて笑う。

「二人も、こんな味がするのかな?」

「それ想像すると、さらに尊いですね」

二人で顔を見合わせて笑い合う。

周りから見れば、ただの他愛ない会話。

でも、この時間が、
私たちにとっては何より幸せだった。

それから私たちは時間を忘れ、『スポラ』の好きなシーンや推しについて、心ゆくまで語り合った。