推しの声がメロすぎて困ってます

「やってきましたー!」

半乾きの髪のまま、私は勢いよくベッドへ飛び込む。

「やっと……やっと見られる!」

胸が高鳴る。

さっきまで我慢していた分、
楽しみは何倍にも膨らんでいた。

私はリモコンを手に取り、テレビの電源をつける。

パッ。

暗かった画面が一気に明るくなり、
ステージに立つSKY5の五人が映し出された。

「っ……!」

思わず歓声を上げそうになる。

けれど、また母に怒られるわけにはいかない。

私は手で口を押さえ、
必死に叫びたい気持ちをこらえる。

その代わり、ペンライトだけは全力で振った。

画面の向こうには届かない。

それでも、今この瞬間だけは同じライブ会場にいる気分だった。

曲が終わるたびに拍手を送り、MCでは一緒に笑い、悠真が話し始めれば、その優しい声に聞き入る。

「……好き」

誰にも聞こえないくらい小さな声で、そっと呟いた。

この時間が、何よりも幸せだった。

――そして、その夜。

私は結局、一睡もすることなく、
朝まで推したちを眺め続けた。