無理して笑わなくていい


「いやさっき、めっちゃ真顔で歩いてたからさ」

「いつも笑いながら歩いてたらキモイでしょ」

「そりゃそうだけど、そうじゃなくて…なんつーか、俺とすれ違ってたの気付いてなかったから」


つばさはビクッとした。


「ぼんやりしてたかも?へへへ」

「それを疲れてるって言うんだよ。しんどかったら、途中で帰ってもいいからな」

「大丈夫だよ」


優しく微笑んできた。

なんとなく、作り笑顔っぽかった。


どうしたらいい?

どうすれば、つばさを守れる?

今のところ、ただ懐いてる後輩って感じだろう。

それじゃ、疲れてる?って聞いても、ううんって答えるに決まってる。

社交辞令になるんだろうな。

じゃあ、彼氏になったら?

甘えてくれるんだろうか。

疲れてる?って聞いたら、うん少ししんどいって。

それとも、彼氏だからこそ、しんどいを重いかもって隠すのだろうか。

でもだったら…しんどいって伝えてくれる可能性がある、彼氏になる方がいいのか?


振られたら、部活で気まずくなるのは分かってる。

だけど。

壊れそうなつばさを見てられない。

勇気だ。