無理して笑わなくていい


「私やるよー」


今度は三崎だ。

あからさまな媚へつらいはないけど、サッカー部で彼氏作りたいんだろうな感は否めない。

何でつばさいないんだよ。

いるけど、スコア表とかの書類作りをしていて、こちらに目をやっていない。


「つばさ」


名前を呼んで、やっと顔を上げた。


「え、怪我?気付かなくてごめん」


俺にもっと興味もてよ…。


「包帯のテーピング、お願いしてもいいか?」

「え…」


少し引きつった笑顔を見せた。


「ハーレム作っておいて、何で私?」

「ハーレム言うな。2年にもなって、未だにコイツらテーピング苦手なんだよ」


ハーレムに嫉妬した…?

だとしたら、俺嬉しいんだけど。


「つばさ、テーピングできない?」

「できるけど…」


包帯を持ってやってきて、するする巻いていった。

程良いきつさで、固定された感がある。


「プロかよ」

「プロも何もないよ」


どこか引きつった笑顔でそう言った。


「どした?」

「え?」

「いつもと違う」

「変わらないよ」

「俺には分かる」

「気のせい」


そう言って、書類作りに戻ってしまった。