無理して笑わなくていい


翌昼、つばさに指定された教室に向かう。

窓の方を見ながら頬杖をつき、前みたいに真顔でぼんやりしていた。


「つばさ」


名前を呼ぶと、嬉しそうに笑ってこちらを見た。

前の席に後ろ向きで座って、同じ机で弁当を開く。


「いや、ハムスターのご飯?こんなんで足りるの?」

「比率的にはハムスターより全然食べてないよ?」


つばさの小さなお弁当に、2人して笑っていた。

談笑しながら食べていて、何故今までつばさが昼になるとどこかに行くのか分からなかった。


「つばさ、もしかして俺が友達と過ごす時間邪魔するんじゃないかとか、気遣ってくれてた?」

「え、あーうん」

「なんか、そういうわけでもなさそう」

「あは」

「あは、じゃないわ」


ふふふとつばさは笑っていた。


その日の部活。

この前のいじめ問題で顧問から、マネージャ2人は解雇され、つばさ1人でずっと頑張っている。

サッカーめっちゃ楽し!って感じで、あまりつばさのことはよく見ていなかった。

それが良くなかった。

1度チラッと見た時、体育座りに近い体勢だったつばさは、頭を抱えていた。

あまり気に留めていなかった。

難しいこと考えてるのかな?くらいだった。