無理して笑わなくていい


部活の人たちには内緒で付き合っている。

なんとなく、からかわれそうだったから。


自主練したくて、早めに体育館に行った。

女子の声が聞こえてきた。


「諒弥と付き合ってるんでしょ!やっぱり男目当てじゃん」

「私別にそれ否定しなかったじゃないですか」

「うるさい!」


神田のその声と共に、つばさが吹っ飛んできた。


「何してんの」


慌ててつばさに駆け寄り、肩を掴んだ。

神田と三崎の顔が白くなっていくのがよく分かった。


「俺が告白したけど?それの何が悪いんだよ」

「…知らない!」


ぷんすかしながら2人はどこかへ行ってしまった。


「今までもこういうこと、何回かあったの」

「…うん」

「何で相談してくれなかったの」

「別に…私のことだし?」

「彼氏だから、これからは何かあったら相談すること。いいね」


つばさは、目を逸らした。


「はい!は?」

「隠したいことくらいあるよ」

「何で」

「何でも」


あの明るい溌剌とした笑顔の裏には、何か背負っているものがあるのだろうか。