子供食堂で紡ぐ恋の調べ〜年の差愛

公園のベンチに座っていた真代の前に、突然美波が現れた。冷たい表情で真代を見据え、はっきりと告げる。
「もう、別れてください」
真代は驚いて目を見開き、思わず立ち上がる。
「別れたくない……そんなこと言わないで」
美波はさらに言葉を重ねようとしたが、その瞬間、後ろから声が響いた。
「ちょっと、美波ちゃん! そこまでにしなさい」
駆けつけた真知子が美波の腕を掴んで制する。美波はバッと手を振り払うと、そのまま走り去ってしまった。残された真代は、しばらく呆然と立ち尽くしていたが、真知子がそっと肩を叩く。
「大丈夫? 話があるなら、どこかでゆっくりしましょう」
近くのカフェに入り、お茶を飲みながら、真代はゆっくりと話し始めた。
「実は私……末山愛斗くんと付き合ってるんです。それから、美波ちゃんにはずっと意地悪をされていて。さっきも、持っていたソフトクリームをわざと私に向かって投げつけられて……服にも汚れがついてしまって。『おばさんなんて相手にされない』『愛斗くんとは別れろ』って、何度も言われました」
話し終えると、真代は愛斗にLINEを送った。それから真知子と別れ、愛斗の家へと向かった。
ドアを開けるなり、愛斗は真代を見て嬉しそうに駆け寄り、そっと唇を重ねた。だがすぐに、真代の服についたシミに気づいて眉を寄せる。
「どうしたんですか? その汚れ……」
真代はさっきの出来事を、一つずつ丁寧に話した。
ソフトクリームを投げつけられたこと、心無い言葉をぶつけられたこと、別れを告げられたこと——。
愛斗は話を聞き終えると、真代を強く腕に抱きしめた。
「美波さんのことは、ちゃんと注意しておきます。でも俺は、真代さんと別れたくない。年が離れてることなんて、全然気にしてないよ。真代さんが好きなんだから」
その言葉に真代の目から涙がこぼれ落ちた。愛斗はその涙を指でぬぐい、もう一度優しくキスをした。何度も、何度も——心からの想いを込めて。
二人が笑い合った頃、真代が作っておいたチャーハンを食べることにした。温かいご飯を口に運ぶと、愛斗は目を細めて頷く。
「美味しいです、真代さん。本当に美味しい」
「ありがとう。よかった」
食事を終え、二人で協力して食器を片付ける。台所がきれいになると、真代はリビングへ歩いていき、愛斗も後を追う。
ソファに並んで座り、愛斗は真代の手を握りしめて言う。
「真代さん……もっと、抱きしめたい」
「いいよ」
愛斗は真代をそっと倒し、キスを重ねながら、心ゆくまで彼女を抱きしめた。夜はゆっくりと更けていき、二人は穏やかな時間を過ごした。
朝が来て、目を覚ます。二人はゆっくりと服を着替え、真代が作った朝ごはんを一緒に食べた。
「今日は、ショッピングデートに行きましょう」
そう約束し、車に乗り込む。
ショッピングモールまでは、海沿いの道を一時間ほどドライブした。
窓から差し込む日差しが心地よく、二人はずっと手を繋いだままだった。
モールの駐車場に車を停め、中へと入る。洋服屋さんではお互いに似合う服を選び合い、アクセサリーショップでは真代が似合うイヤリングを見つけて愛斗が買ってあげた。気づけば四時間も、あちこちのお店を回っていた。
お昼にはたこ焼き屋さんに入り、熱々のたこ焼きを注文する。愛斗が一つ取って、真代の口元へ運ぶ。
「あーん、して」
真代が口を開けると、愛斗はそっとたこ焼きを入れてあげた。真代お返しに、愛斗にたこ焼きを食べさせる。外はカリッと、中はトロッとしたたこ焼きを、二人で笑いながら完食した。
それからも手を繋いで、ゆっくりとモールの中を歩き回った。日が沈み始めた頃、家へと帰り始めた。車の中でも、ずっと手を繋いだまま——これから続く二人の時間を、胸いっぱいに感じながら。