大通りから一本抜けて、穏やかな光が差し込む通りへ。
地図アプリが言うには、この辺りなはず。
「…ここかな?」
小さくも大きくもない、手入れが行き届いた庭。ラベンダーが仲よくみんなで咲いている。
そんな庭がある扉の横に木製のプレートが掛けてある小洒落たお店。
窓辺にたくさん飾ってあるサンキャッチャーを見て、ここだと確信した。
地図アプリを閉じて、一応プレートを確認する。
白っぽい木に、焦茶色の、太陽とひまわりのイラスト。そして真ん中には───
𝐒𝐮𝐧 𝐅𝐥𝐨𝐰𝐞𝐫
「いらっしゃいませ。──もしかして、この間のお客さん!来てくれたんですか?」
「あ、はい……」
からんころん、と柔らかい音と共に扉を開くと、あのお日様みたいなにっこり笑顔と優しい声。
そこに、少しはしゃいだ声も加わっている。
覚えててくれたんだ……。
「この間買ったサンキャッチャー、部屋に飾ってます。きらきらしててお気に入りでなんです」
「ほんと!?──ですか?そう言ってもらえると嬉しいです」
表情、すごく嬉しそう。声だってそうだ。
癒し系スマイルだな〜。
でもニコニコしてくれてるとこ、悪いんだけど……。これって私、邪魔では?
何か買うわけでもないのにお店に来ちゃってるし、現に沈黙が降りてるし!
ほんとはこの空間にもっと居ていたいけど……
「あの……私、帰りますね」
「え、もう帰るんですか?」
「伝えたかったことは伝えたし、お仕事の邪魔になってもあれなので」



