「大丈夫だよ、おっちょこちょいの女の子も可愛いと思うし。でも、ははっ。ちょっと止まんないわ」
「──っ!……"よう"って漢字でどう書くんだろうなーとか思ってただけなんです!決して、他の意味はないです!」
「わかってるわかってる」
かわいい……かわいいってさ!
日向さんは特になにも考えずに言ったんだと思うけど、普段あんまり男子と話さない私からしたら相当な殺し文句だから!
ただでさえ熱かった顔に、どんどん熱が集まっていくのがわかる。
日向さんはツボったのかずっと笑ってるし、かわいいも言われ慣れてないし、いろんな意味で恥ずかしすぎる……。
「もういいです!好きなだけ笑ってください」
「ごめんね。……ちなみに"よう"は太陽の"陽"に虹って漢字で陽虹だよ」
「……ちゃんと聞いてたんですか?」
「聞いてたよ、ちゃんと」
やっと落ち着いてきたのか、目尻の涙を拭って私のほうを見た。
日向さんの少し赤くなった目元。
それと目があったら、破壊力はもう抜群。
「冷めちゃう前に紅茶飲もっか」
「切り替え早い…」
「だって朝日ちゃんのために淹れたのに、冷めたらもったいないでしょ」
「……っ」
恋してない歴=高校2年の16歳、朝日 葵鈴。
トクッと跳ねた心臓の音。
シャラシャラ揺れる白い花。
今年の夏は、何かが変わる。



