「いらっしゃいませ、──お久しぶりです」
「お久しぶりです…」
前来たときには玄関先の小さな庭に咲いていたラベンダー。今は室内でドライフラワーになっていい香りを漂わせてる。
この日も笑顔で出迎えてくれた店員さんは、私に席に座るよう促した。
「もういらっしゃらないのかと思っていました」
「…すみません」
「そういう意味じゃなくて!また来てくれて嬉しいってほうの意味です」
焦ったように顔の前で手を振る店員さんはちょっとかわいい。
"来てくれて嬉しい"……。
そう言ってもらえると、心がぽかぽかして私も嬉しくなる。
「お客さんのこと覚えててすごいです」
「すべての方を覚えてられるわけじゃないですよ。ひまわりのサンキャッチャーを買ってくれたし印象に残ってたんです。あれ、ちょっと思い入れのある作品だったんで」
「そうなんですね。自信作だった、とかですか?」
うーん、そう少しだけ思い悩むそぶりを見せた店員さん。
言いたくない理由なのか、それとも単に理由をうまく説明できなさそうで悩んでるのか……。
「……前に、言われたんです。ひまわりだねって」
「えーっと」
「あっ、すみません。わかんないんですよね。俺の名前が日向 陽虹って言うんです」
「ひゅうがさん」
「はい」



