◆問題①
ある家庭で、一人暮らしの祖父が自室で倒れているのが発見された。発見時刻は午後6時。直腸で測った体温は33.4℃だった。人が亡くなった直後の深部体温を37.0℃とし、死後は1時間ごとに深部体温が0.8℃ずつ下がるものとして、祖父が亡くなったのはおよそ何時何分か求めなさい。
◆答え・解説
午後1時30分ごろ。深部体温は死後、周囲との温度差に応じてほぼ一定の割合で下がり続ける。この性質を使うと、現在の体温から死亡時刻を逆算でき、実際の事件捜査でも用いられる方法である。――ただしこの家には、発見者である同居の孫が「学校から帰った午後3時には、祖父はまだ居間で元気にしていた」と話していた、という記録が残っている。
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◆問題②
理科部で飼育しているウサギ「モモ」の体重を、部員が夏休みの飼育日誌に記録した。7月20日1800g、7月27日1740g、8月3日1680g。このペースで減り続けるとすると、8月24日の体重は何gになると予想されるか。
◆答え・解説
約1500g。体重は1週間ごとに60gずつ規則正しく減っており、単純計算ではそう求められる。夏場は動きが鈍くなるため、多少の体重減少自体は珍しくない。――だが、この日誌をつけていた部員は8月1日から9月1日まで実家に帰省しており、一度も学校に来ていなかった。それでも日誌には、8月3日以降も毎日「モモ、元気に牧草を完食」と書き続けられていた。
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◆問題③
アメーバの仲間である単細胞生物「フォーラーネグレリア」は、水温25〜40℃前後の温かい淡水(湖や川、温泉、管理の甘いプールなど)を好んで生息する。日本名で「__アメーバ」と呼ばれるこの生物の通称を答えなさい。
◆答え・解説
「脳食い」アメーバ。鼻から入り込むと嗅神経を伝って脳まで達し、髄膜炎を起こすことがあり、感染すると致死率は9割を超える。感染経路は鼻からに限られ、飲み込んでも皮膚についても基本的には心配ない。日本国内でも1996年に感染例が報告されている。――今年の夏、川や湖に飛び込んで水しぶきを浴びるとき、その水が鼻の奥まで入っていないと、言い切れるだろうか。
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◆問題④
リモコンやキャンドルなどに使われる「ボタン電池」。子どもの誤飲事故が後を絶たないが、これは「電池切れ」の問題ではなく、体内で電池が果たしてしまうある「働き」が原因で重症化するといわれる。次のうち、その働きとして最も正確なものを選べ。
◆選択肢
A.重金属が体に吸収される
B.電池がのどに詰まり窒息する
C.唾液が電解液となり電流が発生し組織が損傷する
D.電池の酸で胃が溶ける
◆答え・解説
正解はC。電池がのどや食道に留まると、唾液が電解液の役割を果たして電流が発生し、電池のマイナス極側で組織を損傷させる水酸化物イオンが作られる。飲み込んでからわずか2時間ほどで食道に穴が開いた例も報告されている。単なる「誤飲」ではなく、体という電解質の中で静かに「発電」してしまうことが事故を重大にしているのです。おもちゃの中の小さな電池は、体に入った瞬間から、静かに稼働を始めるのかもしれません。
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◆問題⑤
ある中学校の花壇には、同じ品種のアジサイが5か所に植えられている。理科部が土壌の酸性度(pH)を測定したところ、5か所ともpH5.0前後とほぼ同じ「酸性」だった。ところが、4か所は青い花を咲かせたのに対し、花壇Aだけは赤い花を咲かせていた。この理由として最も考えられるものを選びなさい。
◆選択肢
①花壇Aだけ日当たりが悪いから
②花壇Aの土にリン酸が多く、アルミニウムイオンが吸収されにくくなっているから
③花壇Aの株だけ品種が違うから
◆答え・解説
正解は②。アジサイの色を決めるのは土のpHだけではない。土壌中のリン酸が多いと、リン酸がアルミニウムイオンと結びついて不溶化させるため、酸性土壌でもアルミニウムが根から吸収されにくくなり、赤い花になる。では、なぜ花壇Aだけリン酸が多かったのか。リン酸やカルシウムは、動物の骨や有機物が分解する際に土壌へ蓄積しやすい成分でもある。考古学の調査では、こうした成分の偏りを手がかりに、目に見えない有機物の分解跡を探ることがあるのだが──花壇Aの地面の下、いったい何が眠っているのだろう。
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◆問題⑥
理科室で、A・B・Cの3人が実験をした。ストローで自分の吐いた息を、別々の試験管の石灰水にそれぞれ20秒ずつ、静かに送りこんでいく。AとBの石灰水はすぐに白くにごったが、Cの試験管だけは、いくら息を吹きこんでも透明なままだった。3人とも同じように苦しそうに肩を上下させ「はぁー」と息をしていたのに、Cの石灰水だけ変化しなかったのはなぜか、理由を答えなさい。
◆答え・解説:
石灰水は二酸化炭素にふれると白くにごる性質があり、ヒトの呼気には二酸化炭素が多くふくまれているため、ふつうは白くにごる。Cの石灰水だけ変化しなかったのは、吹きこんだ気体に二酸化炭素がほとんど含まれていなかったためだと考えられる。苦しそうな息づかいの音や、上下する肩だけでは、そこに二酸化炭素があるとは限らない。となりの席で今日も普通に授業を受けていた「あの子」は、本当に、息をしていただろうか。
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◆問題⑦
紙に、5cmほど離して黒い点●と黒い星★を大きめに書く。右目を手でかくし、左目だけで星をじっと見つめたまま、紙をゆっくりと目に近づけていく。すると、あるきょりでもう片方の点●だけが一瞬「消えて」しまい、そこには紙と同じ、なめらかな白い部分しか見えなくなる。点はどこにも動いていないのに、なぜ視界から消えたように感じるのか。目のどのようなつくりが原因でこの現象が起きるのか、答えなさい。
◆答え・解説:
これは「盲点(盲斑)」とよばれる現象である。目の奥の網膜には、視神経が束になって脳へ向かう部分があり、そこだけ光を感じる細胞が存在しない。その部分にちょうど点の像が重なると、その点は本当に見えなくなる。ふだんの生活で気づかないのは、脳が周囲の色や模様から推測し、見えないはずの部分を勝手に「描き足して」見せているからだ。今まさに、あなたの視界のすみにも、脳が想像で描き足した「何か」が、当たり前の顔をしてまぎれこんでいるのかもしれない。
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◆問題⑧
「心臓」「肝臓」「腎臓」など、体の中の臓器を表す言葉には共通して「臓」という漢字が使われている。このつくりは「肉づき」+「蔵」からなり、「蔵」はもともと物を隠して閉じこめておく蔵(倉庫)を意味する。X線やCTスキャンのない江戸時代の日本人は、この「隠された中身」がどうなっているかを実際に確かめるため、どのようなことを行ったか具体的に答えなさい。
◆答え・解説:
臓器は体の外から見ることができず、切り開かなければその形も位置も分からなかったため、「隠されて閉じこめられたもの」として「臓」の字が当てられたと考えられている。1771年、杉田玄白らは江戸・小塚原の刑場で行われた解剖に立ち会い、持参したオランダの解剖書の図と、目の前の人体の中身が寸分たがわず一致することに驚いた。この経験が日本初の本格的な西洋医学書『解体新書』へとつながっていく。日本の医学は、生きた誰かの体ではなく、罪により処刑された「誰か」の体を借りることで、ようやく最初の一歩を踏み出せたのである。
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◆問題⑨
ハチに刺されたことがある人は、「1回目より2回目に刺されたときのほうが、命にかかわる危険が大きい」と言われることがある。この理由として正しいものを選びなさい。
◆選択肢:
①2回目は毒の量が2倍になるから
②1回目の毒で体が弱っているから
③1回目に体内で作られた抗体が、2回目の毒に対して過剰に反応してしまうから
◆答え・解説:
正解は③。1回目に刺されると、体はハチ毒を敵として記憶し、次にそなえて抗体(IgE抗体)を作る。ところが2回目に刺されると、その抗体が毒に対して急激に反応し、アナフィラキシーショックという全身の重い症状を引き起こすことがある。本来、体を守るはずの仕組みが、2回目には自分自身を追いつめる方向に働いてしまうのだ。あなたを守るために覚えたはずのその記憶が、次にあなたを襲う引き金になるとしたら、それでも体は「覚えておくべきだった」と言えるだろうか。
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◆問題⑩
1850年、フランスのアンジェという町で、兵士の一団が橋を行進して渡っていたところ、橋が突然崩れ落ち、200人以上の死者が出る事故が起きた。兵士たちが特別重い荷物を持っていたわけではない。原因としてもっとも有力とされるものを選びなさい。
◆選択肢:
①兵士の人数が橋の重量制限をこえたから
②足並みをそろえた行進のリズムが、橋の「ゆれやすい周期」と偶然重なり、ゆれがどんどん大きくなっていったから
③川の増水で橋の土台が急にくずれたから
◆答え・解説:
正解は②。ものにはそれぞれ心地よく揺れる固有のリズムがあり、そのリズムに合わせて力を加えつづけるとゆれはどんどん大きくなる。これを共振という。兵士の行進の足音が橋の固有のリズムと重なり、ゆれが増幅されて崩落につながったと考えられており、この事故以降、兵士は橋を渡るときわざと足並みを崩して歩くよう命じられるようになった。文化祭のダンスでみんなときれいに息が合った瞬間ほど、少しだけ、足を乱してみてもいいのかもしれない。
ある家庭で、一人暮らしの祖父が自室で倒れているのが発見された。発見時刻は午後6時。直腸で測った体温は33.4℃だった。人が亡くなった直後の深部体温を37.0℃とし、死後は1時間ごとに深部体温が0.8℃ずつ下がるものとして、祖父が亡くなったのはおよそ何時何分か求めなさい。
◆答え・解説
午後1時30分ごろ。深部体温は死後、周囲との温度差に応じてほぼ一定の割合で下がり続ける。この性質を使うと、現在の体温から死亡時刻を逆算でき、実際の事件捜査でも用いられる方法である。――ただしこの家には、発見者である同居の孫が「学校から帰った午後3時には、祖父はまだ居間で元気にしていた」と話していた、という記録が残っている。
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◆問題②
理科部で飼育しているウサギ「モモ」の体重を、部員が夏休みの飼育日誌に記録した。7月20日1800g、7月27日1740g、8月3日1680g。このペースで減り続けるとすると、8月24日の体重は何gになると予想されるか。
◆答え・解説
約1500g。体重は1週間ごとに60gずつ規則正しく減っており、単純計算ではそう求められる。夏場は動きが鈍くなるため、多少の体重減少自体は珍しくない。――だが、この日誌をつけていた部員は8月1日から9月1日まで実家に帰省しており、一度も学校に来ていなかった。それでも日誌には、8月3日以降も毎日「モモ、元気に牧草を完食」と書き続けられていた。
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◆問題③
アメーバの仲間である単細胞生物「フォーラーネグレリア」は、水温25〜40℃前後の温かい淡水(湖や川、温泉、管理の甘いプールなど)を好んで生息する。日本名で「__アメーバ」と呼ばれるこの生物の通称を答えなさい。
◆答え・解説
「脳食い」アメーバ。鼻から入り込むと嗅神経を伝って脳まで達し、髄膜炎を起こすことがあり、感染すると致死率は9割を超える。感染経路は鼻からに限られ、飲み込んでも皮膚についても基本的には心配ない。日本国内でも1996年に感染例が報告されている。――今年の夏、川や湖に飛び込んで水しぶきを浴びるとき、その水が鼻の奥まで入っていないと、言い切れるだろうか。
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◆問題④
リモコンやキャンドルなどに使われる「ボタン電池」。子どもの誤飲事故が後を絶たないが、これは「電池切れ」の問題ではなく、体内で電池が果たしてしまうある「働き」が原因で重症化するといわれる。次のうち、その働きとして最も正確なものを選べ。
◆選択肢
A.重金属が体に吸収される
B.電池がのどに詰まり窒息する
C.唾液が電解液となり電流が発生し組織が損傷する
D.電池の酸で胃が溶ける
◆答え・解説
正解はC。電池がのどや食道に留まると、唾液が電解液の役割を果たして電流が発生し、電池のマイナス極側で組織を損傷させる水酸化物イオンが作られる。飲み込んでからわずか2時間ほどで食道に穴が開いた例も報告されている。単なる「誤飲」ではなく、体という電解質の中で静かに「発電」してしまうことが事故を重大にしているのです。おもちゃの中の小さな電池は、体に入った瞬間から、静かに稼働を始めるのかもしれません。
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◆問題⑤
ある中学校の花壇には、同じ品種のアジサイが5か所に植えられている。理科部が土壌の酸性度(pH)を測定したところ、5か所ともpH5.0前後とほぼ同じ「酸性」だった。ところが、4か所は青い花を咲かせたのに対し、花壇Aだけは赤い花を咲かせていた。この理由として最も考えられるものを選びなさい。
◆選択肢
①花壇Aだけ日当たりが悪いから
②花壇Aの土にリン酸が多く、アルミニウムイオンが吸収されにくくなっているから
③花壇Aの株だけ品種が違うから
◆答え・解説
正解は②。アジサイの色を決めるのは土のpHだけではない。土壌中のリン酸が多いと、リン酸がアルミニウムイオンと結びついて不溶化させるため、酸性土壌でもアルミニウムが根から吸収されにくくなり、赤い花になる。では、なぜ花壇Aだけリン酸が多かったのか。リン酸やカルシウムは、動物の骨や有機物が分解する際に土壌へ蓄積しやすい成分でもある。考古学の調査では、こうした成分の偏りを手がかりに、目に見えない有機物の分解跡を探ることがあるのだが──花壇Aの地面の下、いったい何が眠っているのだろう。
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◆問題⑥
理科室で、A・B・Cの3人が実験をした。ストローで自分の吐いた息を、別々の試験管の石灰水にそれぞれ20秒ずつ、静かに送りこんでいく。AとBの石灰水はすぐに白くにごったが、Cの試験管だけは、いくら息を吹きこんでも透明なままだった。3人とも同じように苦しそうに肩を上下させ「はぁー」と息をしていたのに、Cの石灰水だけ変化しなかったのはなぜか、理由を答えなさい。
◆答え・解説:
石灰水は二酸化炭素にふれると白くにごる性質があり、ヒトの呼気には二酸化炭素が多くふくまれているため、ふつうは白くにごる。Cの石灰水だけ変化しなかったのは、吹きこんだ気体に二酸化炭素がほとんど含まれていなかったためだと考えられる。苦しそうな息づかいの音や、上下する肩だけでは、そこに二酸化炭素があるとは限らない。となりの席で今日も普通に授業を受けていた「あの子」は、本当に、息をしていただろうか。
-----------------------
◆問題⑦
紙に、5cmほど離して黒い点●と黒い星★を大きめに書く。右目を手でかくし、左目だけで星をじっと見つめたまま、紙をゆっくりと目に近づけていく。すると、あるきょりでもう片方の点●だけが一瞬「消えて」しまい、そこには紙と同じ、なめらかな白い部分しか見えなくなる。点はどこにも動いていないのに、なぜ視界から消えたように感じるのか。目のどのようなつくりが原因でこの現象が起きるのか、答えなさい。
◆答え・解説:
これは「盲点(盲斑)」とよばれる現象である。目の奥の網膜には、視神経が束になって脳へ向かう部分があり、そこだけ光を感じる細胞が存在しない。その部分にちょうど点の像が重なると、その点は本当に見えなくなる。ふだんの生活で気づかないのは、脳が周囲の色や模様から推測し、見えないはずの部分を勝手に「描き足して」見せているからだ。今まさに、あなたの視界のすみにも、脳が想像で描き足した「何か」が、当たり前の顔をしてまぎれこんでいるのかもしれない。
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◆問題⑧
「心臓」「肝臓」「腎臓」など、体の中の臓器を表す言葉には共通して「臓」という漢字が使われている。このつくりは「肉づき」+「蔵」からなり、「蔵」はもともと物を隠して閉じこめておく蔵(倉庫)を意味する。X線やCTスキャンのない江戸時代の日本人は、この「隠された中身」がどうなっているかを実際に確かめるため、どのようなことを行ったか具体的に答えなさい。
◆答え・解説:
臓器は体の外から見ることができず、切り開かなければその形も位置も分からなかったため、「隠されて閉じこめられたもの」として「臓」の字が当てられたと考えられている。1771年、杉田玄白らは江戸・小塚原の刑場で行われた解剖に立ち会い、持参したオランダの解剖書の図と、目の前の人体の中身が寸分たがわず一致することに驚いた。この経験が日本初の本格的な西洋医学書『解体新書』へとつながっていく。日本の医学は、生きた誰かの体ではなく、罪により処刑された「誰か」の体を借りることで、ようやく最初の一歩を踏み出せたのである。
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◆問題⑨
ハチに刺されたことがある人は、「1回目より2回目に刺されたときのほうが、命にかかわる危険が大きい」と言われることがある。この理由として正しいものを選びなさい。
◆選択肢:
①2回目は毒の量が2倍になるから
②1回目の毒で体が弱っているから
③1回目に体内で作られた抗体が、2回目の毒に対して過剰に反応してしまうから
◆答え・解説:
正解は③。1回目に刺されると、体はハチ毒を敵として記憶し、次にそなえて抗体(IgE抗体)を作る。ところが2回目に刺されると、その抗体が毒に対して急激に反応し、アナフィラキシーショックという全身の重い症状を引き起こすことがある。本来、体を守るはずの仕組みが、2回目には自分自身を追いつめる方向に働いてしまうのだ。あなたを守るために覚えたはずのその記憶が、次にあなたを襲う引き金になるとしたら、それでも体は「覚えておくべきだった」と言えるだろうか。
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◆問題⑩
1850年、フランスのアンジェという町で、兵士の一団が橋を行進して渡っていたところ、橋が突然崩れ落ち、200人以上の死者が出る事故が起きた。兵士たちが特別重い荷物を持っていたわけではない。原因としてもっとも有力とされるものを選びなさい。
◆選択肢:
①兵士の人数が橋の重量制限をこえたから
②足並みをそろえた行進のリズムが、橋の「ゆれやすい周期」と偶然重なり、ゆれがどんどん大きくなっていったから
③川の増水で橋の土台が急にくずれたから
◆答え・解説:
正解は②。ものにはそれぞれ心地よく揺れる固有のリズムがあり、そのリズムに合わせて力を加えつづけるとゆれはどんどん大きくなる。これを共振という。兵士の行進の足音が橋の固有のリズムと重なり、ゆれが増幅されて崩落につながったと考えられており、この事故以降、兵士は橋を渡るときわざと足並みを崩して歩くよう命じられるようになった。文化祭のダンスでみんなときれいに息が合った瞬間ほど、少しだけ、足を乱してみてもいいのかもしれない。

