星降る夜のスピカ


問題は寝る時だった。

セミダブルのベッドに2人で寝ることになる。


「端で寝るから、気にしないで」


と、本当に端で寝ていた。

背中を向けて。


どうでもいいはずなのに。

なんか、ムカついた。


翌朝、キッチンからの音で目が覚めた。


「何してんの」

「ご飯作るように、マネージャさんから言われてたから。家事ならやるよ」

「ああ…ありがとう」


負担も減るのか。

仕事して帰ってきて、夜わたわたしながら慣れない家事をやるのは大変だった。

席に着くと、俺の分のご飯しかない。


「星七のは?」

「私はまだ寝るから後で」

「そっか。…いただきます」


心温まるご飯。

あの子に過去何があったか知らないけれど、俺に対しての嫌悪感は無いのだろう。

少しずつ、俺の心も溶けていくのだろうか。

星七の傷も、俺が癒せたら…なんて。

ただの老婆心だ。


今日はバラエティの仕事。


「行ってくる」

「行ってらっしゃい」


少しだけ微笑んでくれた気がした。

初めて感じた気持ちだった。

簡単に言えば、嬉しかった。

感じたことの無い感情だから、説明ができないけど。