君の隣は一番の青空がある

「今日はここまで。級長あいさつー」

「起立。ありがとうございましたー」

少し張り詰めていた空気が緩む。

私は豊中中学校に通う中学一年、白石月乃。

ごくごく普通の人間だ。

六時間目の終わり。

この後は帰りの会をやって帰るだけ。

夏休みが明け、最初のほうの緊張感もなくなってきた。

のろのろと帰る準備を始める人、友達と喋る人。

そんな日常。

何事もなく一日が過ぎていく。

でも、心のどこかで一人になる自分がいる。

世界から切り離されたような。

そんな事を考えていたらいつの間にか帰りの会は終わっていた。

今日は友達も委員会でいないし、少し寄り道しよう
かな。

近所にある川へ向かった。

橋の下に行くと、秋の風が髪を揺らし、心地よい涼しさを運んできた。

少しじめじめしているけれど、この空気が今は心地いい。

……今日も何もなかったかな。

友達とも楽しく話せていたし、笑ってくれていたはず。

みんなが言う「普通」に馴染めていたはず。

「…普通って、何だろ」

「さあ?なんだろうね」

「……っえ?」

振り返ると、そこには知らない男の子がいた。