恋煩い

その後は特に会話もせず、給食の時間になった。

いただきますの挨拶まで座って待っていると、向
かい側に伊藤くんが席についた。

みんなは小学生の頃とは違って机にランチョンマットは敷いていないが、伊藤くんはカバンからそれを取り出した。

やっぱり、ちょっと変わってる。

すると、驚いた事に、彼は私の机に自分の給食が乗ったトレーを押してきたのだ。

え?

そして普通の顔をしてランチョンマットを敷き、トレーをもとに戻す。

一瞬の出来事すぎて言葉が出なかった。

なんなの、この人は。

でも、別にムカつきはしない。

普通だったらイラッとするだろうけれど、なんで、伊藤くんにはそういう感情が湧かないんだろう。

まあ、いっか。