恋煩い

「伊藤くん。」

「なに?」

「えっと、あのさ、今日はなんで早く来たの?

いつもはもうちょっと遅いよね?

ていうか、遅刻ギリギリできてるよね。」

よし、なんとか言い切った!

あとは伊藤くんの返答を待つのみ!

すると伊藤くんは顔色変えずに答えた。

「ああ、宿題終わってなかったから。今日提出じ
ゃん?これ。」

そう言って、机の上にあるプリントを指差す。

ああ、確かに今日は数学のプリントの提出日だ。

そういうことか。

伊藤くんは家でやらないこともあるんだな。

でも、そういうところは、伊藤くんと関わることがなかった頃から想像ついていたことだったので、特に驚きはしなかった。

でも、なんで家でやらなかったんだろう。

ただ遊んでただけ?それとも、

塾がよる遅くまであったからとか?

だとしたら、私がのんびりしている間に伊藤くんは塾で私よりも勉強をしているという事にな
る。

私はどんどん、彼から引き離されて行ってし
まう。

そう考えると、私はなんとなく悔しいよう
な悲しいような、そんな気持ちになった。