恋煩い

幸い、伊藤くんは他のいつも朝早くからきている
男子たちと一緒に教室に入ってきたので、その心
配はなくなった。

よかった。

伊藤くんは自分の席について荷物を整理する。

私は本を机の中から出して、読もうとした。

が、集中して読めない。

隣が気になって文字をただ上から下に眺めているだけだ。

全然話の内容が入ってこない。

最近本当にどうしたんだろう、私。

あ、そうだ。

伊藤くんに今日はなんで早く来たのか聞こうと思ってたんだっけ。

どういう感じで聞けばいいんだろう。

さりげない感じがいいんだけど。

でも、いまはまだそんな仲が良いわけでもないから、少し警戒されちゃわないかな。

引かれないかな。普通に言って見ればいっか。

手汗がすごいのを無視して、私は伊藤くんに声をかける。