泡沫の月に幽玄の狼

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あれから3日間の入院を経て、一週間が経とうとしていた。
わたしは退院したが、念のためにまだ自宅安静をしており、来週から仕事復帰の予定だ。

その中で美貴は時間を作っては、わたしの為に料理の作り置きをしに来てくれる。
本当に良い友人を持ったと感じたと共に、恩返しをしなくてはと思った。

それから、テレビではストーカー被害に遭った女性のニュースとわたしの家族の命が奪われた過去の事故が事件であったとニュースが流れている。
犯人は同一犯でもちろん、元恋人の水島貴博だ。

あのあと、絃士が椎名さんと共に過去の事件の真相を警察庁の上層部に話してくれたらしく、貴博はすぐに逮捕され、既に市議会議員ではなくなった貴博の父親は何の権力もなくなっており、真実が明かされたのだった。

しかし、過去の事件が明かされても家族が戻ってくるわけではない。
ただ、貴博には罪を償ってほしい。そう思った。

それでも、わたしは取り戻したものがあった。

「都子」

ベッドの上でテレビに流れるニュースを見つめるわたしに、絃士が話し掛ける。
絃士はわたしの隣に腰を掛けると「大丈夫か?」と肩を抱いた。

「うん、大丈夫だよ。ありがとう」

わたしはそう言い、絃士を見つめ微笑む。
それに微笑み返してくれる絃士を見て、わたしは絃士の肩に頭をのせ寄り掛かった。