あざ恋王子は近すぎる。

あの放課後のキスから、数日。


私たちは、まだ正式に「付き合おう」という言葉を交わしてはいなかった。
お互いに好きだと分かってはいるけれど、蓮の立場を考えると、すぐに恋人になるのは難しい。




それでも、二人の間の空気は、以前とは明らかに変わっていた。




「おーい、陽菜。朝だよー。……起きて?」

今朝も、私のベッドの真横。ゆっくり目をあけると、蓮がすぐ至近距離で、私の顔を優しく覗き込んでいた。
あの日以来、蓮の私に向ける視線は、隠しきれない熱を帯びている。


「……っ、蓮! 近い!」


「えー。まだそんなに照れるんだ?」

蓮はふにゃりとあざとく微笑むと、私の額にそっと自分の額を重ねてきた。