あざ恋王子は近すぎる。

蓮の腕に力がこもり、私の体が蓮の細くて強い胸の中にすっぽりと埋まる。


一週間ぶりに感じる、大好きな柔軟剤の香りと、驚くほど熱い体温。




「じゃあ、なんで無視したの!? なんで私を一人にしたのよ……!」


「怖かったんだよ……!

陽菜を巻き込むのが、本当に怖くて……!」




蓮の声が、私の肩口で激しく震えていた。


あの日、雨の中で見せた痛々しい横顔のまま、蓮は私の背中をきつく抱きしめ直す。




「学校でも、俺のファンが陽菜に変な嫌がらせしようとしてるの、マネージャーから聞いて……。俺のせいで陽菜が傷つくくらいなら、他人の振りをしなきゃって思ったのに……」





蓮の言葉に、胸の奥がカッと熱くなった。この子は、自分のことじゃなくて、ずっと私のことを守ろうとして、一人で限界を耐えていたのだ。