あざ恋王子は近すぎる。

驚いて隣を見ると、そこにはパーカーのフードを深く被った蓮が立っていた。

月明かりに照らされた顔は、少しだけ疲れているように見える。



「蓮……起きてたの?」

「うん。陽菜の部屋の明かりが見えたから」



蓮はベランダの手すりに体重を預け、じっと私を見つめた。
昼間の冷たい空気とは違う、昔から知っている優しい幼なじみのトーン。

「朝は、ごめんね。変に避けちゃって」

蓮は驚いたのか、少しだけ目を見開く。
でも、すぐに私の大好きな微笑みを零した。

「ううん、俺の方こそ。最近全然一緒にいられなくて、焦ってた」

蓮はそう言うと、フードを外して、少しだけ苦しそうに目を細めた。



「学校でも、陽菜が隣のクラスの男子と楽しそうにしてるの、見えてたから」